投稿日: Nov 07, 2013 12:34:10 AM
まだチャンスはある
Sony製品を持つのが憧れであった時代もあった。学校を出て働き出した頃に最初に月賦で買ったのがSonyのカラーテレビであった。その後いろいろなSony製品を買ったが、残っているものはCD関連くらいだろうか。CDミニコンポは無くなってしまったがCDWalkmanはまだ2つほど使っている。
開発者の話もいろいろ聞いたことがある。初期は何でも小さくすればヒットすると考えていて、カセットの後にマイクロカセットを作ったが、カセットに置き換わることができなかったのが失敗だったと話していた。しかし磁気テープを使う技術は得意でサーバーのバックアップもSony製品のお世話になった時代もあった。家庭用にはデジタルビデオ(DV)あたりを後に、特徴のある技術は霞んでしまった感がある。
その後のSony製品は愛着をもって永く使うという雰囲気がなくなった。それはSonyの独自規格が災いしているところが多くある。MDとかメモリスティックなどを使うものがそうである。こういう消耗品で囲い込みを図るようなビジネスのやりかたは受け入れられなかった。その結果製品の寿命を縮めてしまったように思う。特にSDカードなどがどんどん進んで安くなっていく時に、MDのオーディオとかメモリスティックのカメラなどは使っていられなくなる。つまり消耗品のような安い商品が足を引っ張って、母屋も寂れてしまった。
またUSBへの対応が遅れた点があると思う。それはFireWire・IEEE1398にこだわりがあったからだろう。オープンな技術を使っていくと商品は安い方向へ引っ張られて、ブランドの維持には向かないと考えていたと思える。Sonyのブランドがもっとも強く残ったのはGemeだったろうか? ウチの子供もPS2とかPSPは随分使っていたが、やはりGameそのものに意識がいくので、Playするプラットフォームは別に何でもよいということになって、今ではデバイスは打ち捨てられている。
PSPなどは凄い着想であって、その先に広大な市場が考えられるものだが、Sonyという企業は事業部門がすでに縦割りになりすぎていて、PSPのもつポテンシャルにあわせたBigPictureを描くことができなくなっていたのだろう。ところがSteve Jobs というワンマン経営者はここからヒントを得て、iPodTouchからiPadに至るユビキタス・コンピューティングとAppleの市場戦略の変更をしたのだろう。
つまりSonyはBigPictureを描くという点で後塵を拝した。その結果として、Sonyの技術は世界でトップクラスのものがあっても、それで部品メーカーとして稼ぐということなってしまった。がしかし、これでおしまいとは思いたくは無い。BigPictureを描くというのはサムスンも台湾・中国勢もできていないのだから、まだチャンスはある。ちまちました商品企画を一刀両断で裁く人が必要だろう。