投稿日: Aug 27, 2012 12:6:59 AM
お互いに消耗するだけだと思う方へ
今の電話はプッシュボタンだがその前はダイアルであった。ラジオはつまみを回して選局すると周波数表示板の上をバーが動いていった。音の大小はボリュームのつまみを回した。
こういった操作はメーカーが異なっても国が異なっても共通のもので、こういった基本的なところで特許論争というのは起ったのだろうかと疑問に思う。機器がデジタル化するとアナログ的な操作はユーザインタフェースのプログラムで行うことになる。そうすると「発明」とか「盗んだ」ということが多くなっているのではないかと思う。過去にPCでGUIが発達したときも、窓枠とかゴミ箱とかhelpとかで知財権の係争があった。しかしそのような係争の主たる狙いは競合相手への牽制とかビジネスを妨害することが目的で、なんら建設的な要素がなく、結局裁判の後も何も明確にならないことがあった。
今アップルとサムスンが世界中で「真似た/真似ない」という訴訟をしているが、実際に何が争点になっているかを見ると、画面をスクロールして端まで行った際にバウンドするのが発明であるとか、まあどうでもよいようなことばかりである。一見すると技術開発の会社に所属して最先端の製品を担当しているような人が、実はこの程度のことで言い争っている姿を想像すると、コンセプト創りとしてのスマホ・タブレット開発は、もうオワッっているのではないかと思う。
両者のビジネスとしては世界各地の裁判を勝ち抜いていかなければならないという点ではこれからであろうが、世界で何億人が使うインフラ的なデバイスであることを考えると、両者とも小さな知財権に固執して守るというよりも、オープンにしてむしろ誰でも使っていいようにする方が得策ではないかと思う。少なくとも重箱の隅を突くような訴訟合戦は弁護士を儲けさせるだけで、他の誰の利益にもならないことは過去の経験からいえる。
自分たちが目くじらを立てていることが、利用者の損得にどう関係しているのかを考えたことがあるのだろうか?利用者から見て何の益も無いことばかりしている会社と思われてしまうと、本当にオワッてしまう可能性もある。これは知財権を振りかざした係争一般にいえることである。