投稿日: Mar 14, 2010 11:53:40 PM
日本発のメディアビジネスは有り得るか懐疑的な方へ
日本はモノマネで、いつもアメリカがモデルを創り出し、おいしいところをもっていってしまう、という傾向は確かにみられる。
この場合アメリカとは何を指すのかをよく考えてみる必要がある。
アメリカは多民族国家で多様性があり、日本のような国家観で考えることが間違っている。
つまりアメリカは一通りでないので、メディアビジネスをしている人たちの世界をもっと近寄ってみてみる必要がある。
これはだいたい高学歴の世界である。それと経済(投資など)が結びついているのが特徴だ。
よくベンチャーのM&Aがあるように、新たなモデルを作って有効性を実証する人たちと、それを金のなる木にする人たちの間での、うまい受け渡しができている印象があるのではないか。
こういったからくりは現地へ行ってみないとわからないことが多くある。実際は人脈であり、それが築かれる場としてのいろいろなコミュニティがある。そこで投資やアライアンスやM&Aの情報が行き交う。
孤立と連帯 闘争と協調 こういった相矛盾することがあっても、プラスマイナスゼロになるのではなく、お互いの負の部分をそぎ落として、「コミュニティ」全体としてはプラスが続くような、暗黙の合意がある。日本人の持つ「暗黙の合意」とは全く別物である。Windowsが独禁法違反かどうかという議論があっても、国益としてWindowsの自由にさせるような「暗黙の合意」である。
日本人の発想や努力が劣っているとも思えないが、デジタルのメディアビジネスにふさわしい「コミュニティ」が劣っていると思う。それぞれが小金を稼ぐことばかり考えるのではなく、日本のよいところを世界に売り込む手段としてメディアビジネスに取り組もう、というくらいの気概をもったコミュニティ群を作らなければならないのだろう。
(参照第8講)