投稿日: Jul 01, 2014 12:39:1 AM
GoProというヘルメットなどに装着して人がアクションをしながら映像を撮りっぱなしにするカメラが売れている。とはいっても殆ど北米の話だが、アウトドアスポーツをしている人にとっては必須のものとなるだろう。アウトドアでなくてもいろんな応用がある。一つは前述のヘルメットやゴーグルなどのように人の目に近いところにとりつければ、本人の視野と同じ様なものが映像として残るので、人に体験を伝えやすいし、おそらくスキーとかスピード競技やダイビングの魅力を表現するものとして標準的なスタイルになるだろう。
もう一つは自転車やスキー板、スノーボードの板、などに取り付けて、操作している自分の映像を撮ることが行われている。これはタレントさんなどを撮るのにはいいだろうし、スポーツの練習用に使えば自分のスキルアップにも使えるだろう。
その他、今までカメラが設置できないところにも取り付けられるので、オートバイの地面すれすれのところにつければスリリングな映像になるし、リモコンのカーやドローンなどのオモチャにつけて映像を撮るのが容易になる。
このような映像制作は今まででも工夫すればできたわけだが、簡易なカメラが発売されることで誰でもできるようになった。いわゆるコモディティ化である。かつて磁気テープやハードディスクに記録していた時にはカメラに振動を与えることはタブーだったが、今はフラッシュメモリになったので、強振動にカメラが耐えられるようになった。メモリを内蔵せずに無線で映像を近くのデバイスに飛ばすのもあるようだ。要するに映像情報がユビキタス化しているのである。一部の用途はこの先にGoogleGlassのようなものに置き換わっていくことが考えらえる。
コンシュマー向けではこのように映像のユビキタス化が起こっているのに、意外にプロフェッショナルなところが進んでいない。研究室で実験を繰り返すような作業も、実験ノートをつけることは重要ではあるが、監視カメラやGoProが安くなった現在では実験に使ういろいろな機材がそれぞれログをデータと映像で撮るようにして、それを後から不要部分を削り落とすようなシステム化があり得るだろうし、すでにそういうことは始まっているはずである。
私はインテルがオモチャの顕微鏡をUSB接続にしたときからこの種のデバイスを使っているのだが、それぞれが独自のアプリで撮って見るようになっているので大変不便である。静止画カメラはExifでいろんなメタデータが入るようになっているが、顕微鏡にはそういう機能はない。だから顕微鏡写真の整理は行いにくくて、小保方氏のような間違いはおそらくどこでも起こってしまう。
つまりいろんなデバイスがユビキタスになる時には、それそれがデータ化したものがリンクとかシンクロすることを考えておかなければ、後で人間任せになって正確さが損なわれることなりかねない。だからクラウド型にICTをしなければならないということなのだろうが、これもコンシュマ向けが先に発達することになるのかもしれない。
なにしろ工場では未だに紙の作業伝票をまわして仕事をしているところが多いのが現状なのだから。