投稿日: Oct 15, 2011 1:49:34 AM
アメリカの管理システムに疑問を持つ方へ
ウチの社員はダメだという社長は失格だと言われるが、社員を性悪説で管理していても同じようなことだろう。これは今日セキュリティ問題を考えると、何らかの認証をうけるために組織として制度をどうするかが優先して、そこで働く人のことが後回しになることがよくあり、ではどうするかという判断をするときに、日本では性悪説に寄る傾向があると思う。例えば近年企業を訪問すると入館管理のシステムがあって誰にどういうアポイントがあるかを確認し、来訪者に何らかのIDをつけて管理をする。これも行き過ぎるとマイナスの考え方になることがありえる。
店舗のような通りすがりの人が入れる場所で入館管理をするところはないが、アメリカではビバリーヒルズのお店を覗こうとしたら、事前にアポイントのない人は入れないところがあったり、楽器屋では入り口に銃を持った警備員がいて、所持品をチェックされた上で鍵を開けて中に入れてもらえ、入ったら鍵が外からかけられてしまうようなところがあった。こういった店は一元の客は対象にはしていないのだろうから、客が入りにくても強盗防止の方がいいのだろう。ネットのセキュリティを考える上で、こういった背景の違いを嗅ぎ分けてアメリカの制度を再検討する必要があって、そのまま入れると厭味なものになりがちである。
ネット上では利便性とセキュリティはいつも難しい問題で、日本ではIDにメアドはダメであるとか、パスワードが2重になっているとか、よりややこしいシステムにした方が効果があるという考え方だが、アメリカは不思議なことに超簡便なサービスが幅をきかせていて、Paypalなどはアカウントさえもっていれば相手のメアドと金額を入れて送金目的を選択するだけで送金が完了する。しかし利用者管理はちゃんとしているようで、親会社のeBayでもガイドライン違反をするとアカウントが取り上げられ、不正は抑制される。
つまりアカウント取得という関門の後は利便性がよいようになっている。これは企業内でも同じで、社員が悪さとか過ちをする可能性があるからメールも出せないという管理をするよりも、社員が信用できることを外にアピールできる方が、会社としては格が上になるのではないか。セキュリティに関する資格や認証はまだ偏りがあって、人材教育にどのように組み込むかというところまでこなれたものはないが、おそらくは人格の基本的なところに絡むものがあるだろう。セキュリティ問題は形だけの管理をすれば済む時代は通り越して、日常のビジネス全般に血肉化して社風になってブランドイメージに貢献することが求められているだろう。