投稿日: Feb 21, 2014 1:35:27 AM
テレビとIT側は手を組めないのか
テレビは冬季オリンピックの映像を何度も繰り返すばかりで、これは大事件が起きた時の報道と同じだ。ずっとテレビばかり見ている人は飽き飽きしないのだろうか? 事件は突発的に起こるので、同じものを繰り返さざるを得ないのは、ある程度は仕方ないが、東日本大震災の際などはGoogle、Yahooなどが震災のポータルサイトを運営して、有用な情報を提供した。これは基本は関連情報のリンク集という面と、みんながシェアするデータべースの構築と、コミュニケーションなどの機能提供だが、IT業者なら検索エンジンと連携したものがすぐに立ち上げられるからである。
デジタルテレビとかスマートテレビといわれても、テレビ局がこういったITの機動性を発揮できるかどうかで、将来のメディアの勢力地図が決まってくるだろう。とはいっても現実にテレビ業界がIT能力を高めているようには見えないので、テレビ業界は別の攻め方を考えなければならないだろう。それは「コンテンツ力」ではないか。
今回の冬季オリンピックにおいてもIT側からはポータルサイトが提供されているが、すごく地味で話題にならない。内容はマスコミと同等レベルで面白味がないのである。どうもオリンピックの情報は災害情報のように突発的に作業するようなものではなく、過去のデータの編集などをコツコツとやらないと意味がないのではないかと思わされた。つまりコンテンツ「力」が問われるのである。
事前にきちんと競技の種類に応じた競技の歴史や説明、各競技のチャンピオン候補の情報を蓄積しておいて、それを毎日の競技進行に合わせてうまくリンクさせたり編集するというのが役立ちそうである。これならばテレビで同じ映像を垂れ流すのではなく、デジタル放送の特徴を活かしたマルチメディア放送ができそうに思える。
しかしそれをするには野球のポータルサイトの何倍もの労力が必要で、おそらくなんでも外部に丸投げしている民放のやり方ではコストがかかって実現不可能だろう。
そうすると民放の外部で丸投げを受け止めてて仕事をしているプロダクションやシステム会社がみんな手を組んで、各競技のサイトや、選手を送り出す地元のサイトと協力し合って、オリンピックなどのイベントに合わせたクラウド型のポータルを作った方が早いのではないかと思う。
このポータルサイトの方では競技映像が欲しいし、テレビの側では情報が欲しいわけで、この両者がお互いに排他的になるよりも、手を組んだ方が視聴者にとってはうれしいはずだが……
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