投稿日: Jul 11, 2014 12:6:2 AM
高齢者の方が昨秋に講演した内容を編集してCD-Rに焼いて配るという作業をしたのだが、肉声で聞くのと録音された音との差があってやりにくかったことがあった。マイクはシュアのボーカルマイクだから悪いはずはないが、いわゆるサ行の多いシューシューした音で聞き取りにくくなっているのだ。
通常は話の中から咳払いとか「えー」とか間合いの空きすぎとか繰り返しなどを取り除いて聴きやすくするのだが、この場合はもっといろいろなことをしなければならなかった。
最近になってこの方が咽喉の癌であることが判明した。もともとハスキー気味の声だったのかもしれないが、咽喉の変成は発声を変えてしまうことはあると思う。私の父も65歳の時に咽頭癌になったのだが、半年の間に声が少し聴きとりにくくなり、咳払いも多くなるという変化があった。高齢者の健康診断には声の記録というのも役に立つのではないかと思った。
記事『デバイス主導の限界 健康アプリへの疑問』では、ウェアラブル・コンピューティングで健康管理アプリ開発をムリクリやっている気がすることを書いた。また家庭の中にはライフログにつながるようなガジェットも増えていくだろう。前記事では排泄物の記録や分析ということを考えたのだが、他にも体のモニタリングをする機会は日常生活の中にもいろいろありそうだ。
まずはすでに健康状態が要注意の人は医者から気を付けるように言われていることがあるはずなので、そういう面でのモニターをするアプリが専門的にあるはずで、それをもっと日常の中で使えるようにすれば、健康管理意識の向上にもなるだろう。ダイエットをするのに毎日体重を量ってカレンダーに記載するだけで効果が出るようなものである。
まだ要注意の手前で、糖尿病とかに「なりやすい人」という方も大勢いて、毎日の食事をスマホで撮って何らかの情報を加えてライフログ化すれば、食事の偏りや量に関して自動的にアドバイスがされるようなものもできそうに思う。まだ食事の画像からカロリー計算などを自動ですることはできないだろうから、いくらかはダイアログからタップなりクリックして情報を入れなければならないだろうが、その時に薬を飲むことのリマインダーとか、過去データの分析にからめて何か面白いメッセージを出すように仕組んで、習慣づけられそうな気がする。
ユビキタスコンピューティングが現実化するこれからは単発アプリを作るだけではなく、習慣として役に立ちそうな方向でアプリを考えるべきだろう。究極としては健康管理アプリが人が道から外れないように人を飼い慣らしてくれることになるのだろう。
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