ピンクローターの思い出(03)

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 恐怖で声も出せないまどかの手を引っ張って、男は部屋の真ん中に敷かれた布団の上にまどかを引きずり出した。抵抗したけれど、大人の男の力にはどうすることもできなかった。手で口を押さえられ、布団の上に押し倒された。手足をばたばたさせるまどかに馬乗りになると、男は仲間の男たちに、

「おい、押さえつけろ」

 と、命じた。

 若い男たちがまどかの両手両足を押さえつけた。元カレの男がローターを拾い上げ、スイッチを入れた。強度を上げ、振動音が部屋に響く。そのローターをまどかの頬に押し付けた。カタカタカタとほっぺたの上でローターが跳ね回る。痛みを感じてギュッと目を閉じた。

 男は満足げに笑うと、まどかの服を脱がし始めた。ブラウスのボタンをはずされながら、別の男にスカートをめくりあげられてパンツを脱がされる。キャミソールを剥ぎ取られてしまい、まどかはすすり泣きを始めた。

「まどかちゃん、けっこう胸あるな。そろそろブラジャー買ってもらった方がいいぞ。お? なんだ、下の方はまだつるつるじゃねえか。色気づいていてもまだまだガキだな、クックックッ」

 全裸にされたまどかは体を起こされた。一人が背後から抱きかかえ胸を揉みしだき、一人が足を開かせて押さえつけ、元カレの男がローターを使ってまどかの股間をいじめた。もぞもぞと体をくねらせて抵抗したけれど、大人の腕はびくともしない。

「や……、やだぁ……」

 ようやくそれだけ言えた。しかし、それも男たちの嗜虐心を煽っただけだった。

「まどかちゃんには俺たちがいまから男と女のことをたっぷり教えてやるからな。友だちに自慢できるぞ。一足先にオトナの女になれるんだ。初めてが俺みたいなイケメンでツイてるな。しあわせものだぞ」

 男は仲間にローターを渡して愛撫を続けるよう指示すると、自分も服を脱いだ。

 知識としては知っていても、まどかはソレを見るのは初めてだった。黒々とした陰毛の中から突き出す奇妙な形をした赤黒いソレ。

 黒光りするソレを顔に押し付けられた。必死に顔をそむけて嫌がるまどかの様子を見て、バカにするように三人が笑った。

 どうしようもできない。

 誰も助けてはくれない。

 自分の無力さに、悔しさが瘴気のように体の中で渦を巻いていた。

 何も考えることができなくなり、ただ起きていることを受け入れることしかできない。

 そうしているうちに、どういうわけだか別の感覚が体の中に沸き起こってきた。

「あうぅ……」

 声が漏れてしまった。男はそれを聞き逃さなかった。

「ククク、感じてるじゃねえか。子供のくせに、いっちょまえだな」

 嫌でたまらないはずなのに快感があふれてくる。それどころか、いままで感じたことのないほどの気持ちよさを感じ始めていた。

 まどかが全身を硬直させて達すると、男はローターを止めた。

 そしてまどかに覆いかぶさるように押し倒し、体を密着させてきた。それ以上抱きしめられたら骨が折れるのではないかという恐怖を感じた。

「じゃあ、そろそろ開通させるとするか」

 男は怒張したモノをまどかの中に押し込んできた。

 そのあと何をされたのか、まどかは断片的にしか覚えていない。この事件が起きた頃のことはモヤに包まれたように記憶が曖昧で、出来事の前後関係もはっきりしないのだ。それでいて覚えている部分については細部まで鮮明に覚えている。

 まどかは明け方までずっと暴行されつづけた。

 その一部始終をビデオカメラで撮影された。ずっと後になってから、まどかは古本屋のアダルトビデオコーナーの片隅で『まどか10才』という手書きのラベルが貼られたDVDを見つけることになる。

 三人の男たちはかわるがわるまどかを犯した。まどかは「痛い、痛い」と泣きながら、やめてくれるよう懇願することしかできなかった。アナルも犯された。一人に強姦されている最中に、もう一人にバックから肛門にねじ込まれ、体が裂けてしまいそうな恐怖にさいなまれた。まどかのアソコからは三人の精液が溢れ出し、男たちは精液で汚れたソレをまどかに舐めさせた。全身を精液まみれにされ、痺れてボーッとなった頭の奥で、早く終わってほしい、と、それだけを願った。

 夜が明けた頃、男たちが去っていった。まどかは畳の上に横たわったまま動くことができなかった。何も考えることができず、何も感じなくなっていた。時おり体の中の精液を掻き出そうと手を動かし、指先に付いたドロドロした液体を見つめた。毒薬を注入されて死を待つだけのような気分だった。

 ひどく疲れていた。まどかは気だるい動作でテレビのリモコンを操作し、いつも朝ごはんのあいだに見ている朝の情報番組をつけた。普段ならパンとジュースとヨーグルトの朝食を用意している時間だったけれど、動けないまま、そのうちに眠り込んでしまった。

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