第12話 エンジェルフォール (08)
「ん……」
アソコが押し広げられ、大きな丸い先っぽが入ってくる。
「んん……、んん……」
ゆっくりと奥まで押し込まれる。
挿入されるときの感じがすごく好き。
お花畑の花がいっせいに咲いたように、気持ちよさが全身に広がる。
いちばん奥まで来て、先生が動きを止めた。
抱きつきたいけど、両手を縛られてるからできない。それがもどかしい。
「あ……、あん……、ん……、ん……」
キスで唇をふさがれた。
アレが奥を押してくる。
「ん……、んふ……」
ピストンで竿に刺激が伝わるとすぐに発射してしまうらしくて、あまり動かずに子宮口を責めてくるのだけど――。
あうう、そこッ、気持ちイイ!
先生のアレはすごく硬くて、すごく感じる。
亀頭を刺激しすぎても出てしまうだろうから、先生も必死に加減を調節してる。
そのとき、四時間目の終了を告げるチャイムが響き渡った。
びっくりしてアソコにギュッと力が入ってしまった。
「むッ」
先生がちいさくうめいた。体の奥に熱いものが広がった。アレがドクンドクンと脈打って、あたしの中に精液を注ぎ込む。
射精が終わると先生は大きく息を吐きだして、ゆっくりとあたしから出ていった。
最後にやさしいキスをしてくれた。
挿入したらすぐだったけど前戯で何回もイカされたから、しばらく起き上がれなかった。
その間に先生は服を着て、ポケットティッシュでアソコを拭き拭きしてくれた。精液がたれてくるアソコを男の人に拭いてもらうのは、なんというか、ものすごく恥ずかしい。でも、愛されてる感じがして心が震える。
もう昼休み。階段の下から、戸を開け閉めする音や、廊下を歩く上履きの音。ときどき話し声が混じる。ほんの数メートル離れたところに人がいっぱいいる。
学校で先生とセックスしちゃった。
「夢がひとつ叶った。こんどは教室でセックスしたい」
あたしのワガママに先生がおでこを小突いた。
と、そのときだ。
「沙希ちゃーん。そこにいるのォ?」
という声が踊り場の下から聞こえてきた。
あっ、と思ったときにはもう遅かった。美菜子ちゃんが顔をのぞかせた。
「沙希ちゃん、それと、藤堂先生……?」
先生は凍りついたけど、美菜子ちゃんなら心配ない。
美菜子ちゃんはスマホを片手に上まであがってきた。そういえば普段使い用スマホのGPSをオンにしたままだった。ランチタイムになっても姿がないから、追跡アプリであたしを探しに来たのか。
「藤堂先生って、やっぱり沙希ちゃんのお客さんだったんですね。でも、学校の中で援助交際なんて、大胆……。沙希ちゃんはやっぱりスゴイです。あこがれます」
「いや、小川、違うんだ、これはだな……」
まったく、こんなとき男はみんな同じようなセリフでうろたえるんだな。
「先生、この子は大丈夫。前に屋上で閉じ込められたとき助けてもらったでしょ。美菜子ちゃんはあたしが援交してること知ってるから心配いらないよ」
あたしはパンツを穿きながら言った。
ふと思いついて、美菜子ちゃんに耳打ちした。
(藤堂先生と援交してみるのはどうかな。学校の先生なら安心でしょ?)
(そうですね。でも、最初の援交相手は自分の力で見つけて、自分で交渉してみたいんです。そうするのが沙希ちゃんに追いつくためには必要だと思うんです)
(そっか。もちろん美菜子ちゃん自身が決めることだよ)
美菜子ちゃんはニコッと笑って、先生に向き直ると、
「藤堂先生、実はわたしも援助交際をしてるんです。まだあまり経験はないんですけど。もし先生さえよかったら、そのうちわたしとも遊んでくださいね」
と無邪気に言った。
先生はもう何も言葉が出てこない様子。無理もないけど。
「もお、先生ってば、美菜子ちゃんに鼻の下を伸ばしちゃって。先生にはあたしっていう恋人がいるでしょ。ウワキモノ」
なんちゃって。これってもう男性教師の夢の世界でしょ。
元通りに制服を着た。先生はまだショックから立ち直れないでいる。あたしはそんな先生を置いて、美菜子ちゃんといっしょにその場を後にした。
[援交ダイアリー]
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