第13話 目覚めた少女たち (03)
「あたしをダシにして料金を吊り上げたってわけ?」
ジト目で追求すると美菜子ちゃんは不安そうに顔を曇らせた。
「いけなかったでしょうか。一条さんは超お金持ちですし、このくらいならいいかと思ったのですけど」
あたしは苦笑した。
「たしかに一条さんなら払えるだろうけど。リピーターさんとは信頼関係が大切だから、お金をもらった分はうんとサービスしてあげなきゃね。とくに一条さんは美菜子ちゃんに入れ込んでるみたいだし」
「一条さんがわたしに? フフフ、そんなことぜんぜんないですよ」
「でも、あの人、いつも美菜子ちゃんばかり指名してるし」
美菜子ちゃんがあたしの言葉を打ち消すように両手を振った。
「一条さんが入れ込んでいるのは沙希ちゃんですよ。わたしの指名が多いのは、ホラ、わたしはお父さん以外の男性とは経験がなかったですから。ほかの男性に抱かれる前のわたしの体をたっぷり味わっておこうという魂胆ですよ」
そう言いながら美菜子ちゃんが部屋のドアを開けた。
ラブホテルを思わせる内装、リビングの真ん中に大きな天蓋付きお姫さまベッド。
この部屋はかつて美菜子ちゃんのお父さんが娘を犯すために用意したヤリ部屋だった。いまは一条さんがあたしや美菜子ちゃんを抱くためのヤリ部屋だ。
交代でシャワーを浴び、歯を磨いた。
体にバスタオルを巻いて、美菜子ちゃんとふたりで寝室のベッドに腰掛け、一条さんが来るのを待つ。
「やっぱり美菜子ちゃんは美人だなぁ。胸も大きいし。脱ぐとすごく色っぽい」
「えー? そんなにジロジロ見ないでくださいよ。恥ずかしいです。中学のときから胸が大きくて、学校では男子にいやらしい目で見られるし。お父さんにエッチなことされてるからなのかな、って思ってたけど、そんなこと誰にも言えないし。修学旅行のお風呂とかイヤじゃなかったですか?」
「あたしは不登校だったから修学旅行は行ってないんだよね。うーん、あたしだって色んな男たちに揉まれてるんだけどな。美菜子ちゃんはEでしょ? せめてDカップになりたい」
「沙希ちゃんも美人だし、肌きれいだし、細くて長い脚が素敵です」
あたしたちは見つめ合って笑った。
自分では美人だと思ってる。でも美菜子ちゃんは別格だ。
そんな美菜子ちゃんに嫉妬するようになるなんて思わなかった。ずっとあこがれの存在だったから。
玄関のドアが開いて一条さんが入ってきた。一条さんもシャワーを浴びてきたらしくて、バスローブ姿だ。
「ねえ、どうする? あたし、女の子ふたりの3Pは初めてなんだけど」
と美菜子ちゃんに尋ねてみたけど、もちろん美菜子ちゃんも経験はない。
ふたりで一条さんを見上げると、一条さんは得意げに唇の端を上げた。
「そうだな。とりあえず、あとでケンカにならないよう、挿入の順番は決めておこうか」
一条さんの言葉に、あたしと美菜子ちゃんは顔を見合わせた。
女の子には穴が二つあるけど、男性の竿は一本だけ。女ふたりの3Pでは、女の子のどちらかがお預けを食う。これは仕方のないことだ。
「じゃあ、ミーナちゃんがお先にどうぞ」
以前、美菜子ちゃんとふたりで一条さんを押し倒したとき、美菜子ちゃんはフェラチオと顔面騎乗だけでセックスはしていない。美菜子ちゃんがどんなセックスをするのか興味がある。
と、思ったのだけど、ほんとは美菜子ちゃんに対して気後れしてるだけかも。
「え……? あ、はい。恥ずかしいけど、がんばります」
美菜子ちゃんは顔を真っ赤にしてうつむいた。
やっぱり可愛いな。
一条さんがバスローブを脱いで全裸になった。アレはもう元気になってる。
あたしも美菜子ちゃんもバスタオルを取るのをためらった。女の子同士で素っ裸を見られるのはお互い恥ずかしい。
でも、このままってわけにもいかない。恐る恐るバスタオルをはずして、裸になった。美菜子ちゃんに胸を見られるのが怖くて腕で隠す。
それを見て美菜子ちゃんもバスタオルを取った。同じように胸を隠してる。
一条さんが苦笑した。
「こいつは……、新鮮な反応だな。きみたちは同じ学校の友達なんだろ? そんなに恥ずかしいものなのか?」
「あたりまえでしょ!」
あたしが口を尖らせると、一条さんはますます笑った。
一条さんはベッドに乗って、背後から両手であたしたちの肩を抱いた。
「超絶美少女高校生ふたりと3P。これ以上の贅沢はないな」
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