第8話 ショートポジション・ガール (07)
あたしは今にも襲ってくるはずの痛みに身構えるように、目をぎゅっと閉じて唇を噛み、体を固くした。バージンの子ならきっとそうするだろう。
簡単には挿入できないように下腹部に力を入れる。
そして、誘いこむようにすこしずつ力を抜いていく。
アレの先端がアソコにめり込むのを感じた。
「クッ、まだ中学生だけあって、さすがに狭いな。キツマンだ」
一条さんがうれしそうな声をもらす。
「やだぁ……、こわい……、やだぁ……」
アソコが押し広げられていく。
あたしの反応を見ながらゆっくりとだけど、容赦なく奥へと入ってくる。
「ひッ……、あうッ……、痛い……」
ふたたび一条さんが覆いかぶさってきて、あたしにキスをした。
「いい子だ、沙希。すこしのあいだガマンしててくれ」
「はうぅ……、うくッ……、痛い……」
「いいぞ、奥まで入った。沙希の中、すごく気持ちいいぞ。ぎゅんぎゅん締まる」
「ひぅぅ……」
一条さんは破瓜の痛みに耐える少女の表情を堪能しながら、ゆっくりと奥を押してくる。
快感の波に唇を噛んだ。一条さんのアレは大きくて硬い。すごく気持ちいい。
感じてることを悟られまいとする表情が、かえってバージン設定にリアリティを与えるはずだ。そう思いながら快感に耐えた。
「ひっ、痛い……痛いィ……、もうヤダぁ……」
「じきに気持ちよくなってくるからな、沙希」
荒い息でキスをしながら一条さんが言う。
きつく抱きしめられて身動きできない。
一条さんに奥を押されるたびに、熱い快感が子宮から湧き出てくる。
体がとろけてしまいそうだ。
腰に力が入らない。
宙に浮かんだ脚がガクガク震える。
「はうぅ、やだ、やだぁ……。こわい……」
バージンの子を感じさせたことに満足した様子で、一条さんが腰の動きを速めた。
「あっ、あっ、やだ、そんなに動いちゃやだ。こわい。あっ、あっ、ひっ」
一条さんは構わず押してくる。
ぐいぐい、ぐりぐり、ぐいぐい、ぐりぐり――。
まずいまずいまずい! イッちゃう!
ダメダメダメ! それじゃ一条さんの心に届かない。
初体験で中イキするわけない。バージンじゃないのがバレちゃう。
ホントはこのまま身をまかせてしまいたい。だけど――。
こんなんじゃ、すぐに忘れられちゃう。
「ふうーっ、沙希のおまんこの中はすごく気持ちいい。からみついてくる。まだ中学生なのにとんでもない名器だ。たまらん」
「こんなのいやぁっ。やめて、やめてよぉ。助けて……」
「沙希のおまんこはもっともっとって言ってるぞ。アタマでどんなに嫌がっていても、カラダは正直だな」
嫌悪の表情を浮かべて体をよじり、一条さんを弱々しく押しのけようとする。
「あ……、あん……、あふぅ……」
「どうだ。感じてきただろう?」
ひょっとしたら男性向けレイプファンタジーを信じてるのかもしれない。だとしたら感じてることを隠さなくても大丈夫かも。ただし、楽しんでると思われたらアウトだ。
本気で嫌がっているように見せるには、嫌なことを思い出せばいい。
お父さんに売春させられたときの本物のレイプ体験なら――。
そのとたん、もっと嫌な記憶がよみがえった。
繰り返される性的いじめ。
思い出したくないのに、フラッシュバックを止められない。
心が暗闇の奥に引きずり込まれた。
部屋の床が抜けて体が落ちていくような感覚。
遠くで自分の叫び声が聞こえる。
一条さんが何か言いながら、あたしの両肩をつかんで揺すっている。
精液の臭い。
顔にべっとりとかけられていた。
水の底に沈んでいるように意識が重い。
視線を落とすと胸にも精液。
その胸に、太いマジックで書かれた大きな文字が浮かび上がった。
『みんなの肉便器 1回500円』
太ももの内側にいくつも書かれた『正』の文字。
[援交ダイアリー]
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