くやしいけどあえぎ声がもれた。下半身の力が抜けるような感じがした。
「どうやら気持ちよくなってきたようだな。オマンコから汁があふれてきたぞ」
勝ち誇ったような声が背中からひびく。
ピストン運動がはげしくなる。
「ううっ、いかん、出そうだ」
そのつぶやきにホッとした。しかし柴田は射精せずにアレを抜いた。
あたしは仰向けにさせられた。座布団をひっくり返すような扱いだ。反射的に身を守ろうと手足を曲げて縮こまった。
のしかかってきた柴田に、両手首をつかまれてむりやり腕を広げられた。元アメフト部の力には到底かなわない。それでも抵抗しようとすると、ほっぺたを平手で叩かれた。あたしはおとなしくしたのに、もう一度叩かれた。涙がこぼれた。
「ひーひっひっひっ。かわいいなぁ、お前。怖がる顔がそそるぞ」
柴田が顔を近づけてきた。顔をそむけると、あごをつかまれて強引に前を向けさせられた。唇を狙われてるのだと悟って、あたしは力いっぱい抵抗した。両手で柴田の体を押しのけようとしたけどビクともしない。首を横に向けようとしても大きな手で押さえつけられてどうにもできない。
「キスはダメ……です。キスはしないで……。そうゆう約束でしょ?」
「なんだよ。もしかして体は売っていても唇は惚れた相手にしか許さないってやつか? 援交しているくせに彼氏でもいるのか? あーん?」
文化祭の日、拓ちゃんにキスされた。むりやりのキスだったけど、好きな人のキスのぬくもりをまだ覚えてる。それ以来、誰にもキスさせてない。誰にも穢させてない。
黙ってると柴田が冷酷な目付きであたしをにらんだ。
「そういうことなら、ますますキスしてやらなくちゃなぁ。いいか、お前は俺に買われたんだ。お前の体のどこをどうしようと俺の勝手なんだよ」
「やだぁ! キスはやめて! おねが――、むぐっ」
あたしの抗議は柴田の押し付けてきた唇で封じ込められた。
強引に舌を入れられた。ジュルジュルと音を立てて舌を吸われた。
こんな下劣な男に、拓ちゃんのキスが上書きされちゃうなんて……。
これがあたしの生きてる世界なんだってわかってるけど。
あたしみたいな子はお姫さまにはなれないってわかってるけど。
くやしい。
こんなのやだよ。
柴田が唇を離した。すすり泣くあたしの脚を両手で押さえ、正常位で挿入してきた。
もう抵抗する気力もない。
ただ痛みをこらえ、泣きながら終わるのを待つことしかできない。
柴田の息が荒くなるのが聞こえた。何か下品なことを言ってるけど、何を言ってるのかまではわからない。何を言っていようがどうでもいい。
はげしいピストンであたしの体が揺れた。Bカップの乳房が上下に揺れた。
野球のバットを突っ込まれて突き上げられてるように痛い。
奥を突かれるたびに頭のてっぺんまで痛みが走る。
それなのにどうすることもできない。
あたしには何の力もない。
「そろそろフィニッシュだ」
と柴田が言った。そのセリフで我に返った。
柴田はひときわはげしく突いたあと、アレを引き抜き、すばやくあたしの上半身にまたがった。引きちぎるようにコンドームをはずすと、巨大なアレをあたしの顔に向けた。
あわてて目と口を閉じた。大量の精液が顔にかかった。精液は何度かに分けて噴出し、そのたびに音を立てて顔にあたった。
柴田が満足そうに息を吐く音が聞こえた。
顔中を精液におおわれて目を開けることができない。泣いて鼻をすすると精液を吸い込んでしまいそうだ。といって口で息をすれば精液が口の中に入ってきてしまう。
浅く小さく呼吸をしたけど、しゃくりあげた拍子に思いっきり鼻に精液が飛び込んできて、むせて咳き込んだとたんに精液を舐めてしまった。
ぎゅっと閉じたままの両目からこぼれた涙が、精液と混じってしたたるのを感じた。
「すっげー気持ちいいィ。よかったぞ、お前のマンコ」
柴田があたしの上から退いた。
自由になったあたしは手探りでティッシュペーパーの箱からティッシュを取り、顔をぬぐった。アソコにはまだ痛みが残ってる。あたしは柴田から逃げるようにベッドの隅に移動し、膝をかかえてうずくまった。手でアソコを隠す。
「どうだった、俺の極太チンポに貫かれた感じは? お前も感じただろ?」
「追加料金払ってよ」
「ああ? 何言ってんだ」
「アナル、キス、顔射。ぜんぶオプションだ。その分のお金払って。それぞれ十万ずつ」
「そんな金ないぞ」
「あとでまたATMで下ろしてきて。銀行にお金がないならキャッシングして」
[援交ダイアリー]
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