第5話 死に至る病 (10)
下半身にはもう力が入らない。
おかげで愛液が止まらなくなったみたい。
「あっ、あん……、あううぅ」
ついにギリさんの舌がクリトリスを集中攻撃しはじめた。
そのとたん――。
きゅーん! という快感が背筋を駆け上った。
体がのけぞって、全身が硬直した。
すぐに力が抜けてベッドに落ちた。
ギリさんが上に戻ってきて、抱きしめてくれた。そしてキス。
「ほらね。沙希ちゃんは汚くなんてないんだよ」
あたしはギリさんの胸に顔をうずめた。うれしくてたまらない。ギリさんが好きだ。
「しようよ、ギリさん」
「うん。しよう、沙希ちゃん」
「ゴムなしでしてもいいよ。ギリさんさえ気にしないなら――、だけど」
「うん。ぼくも沙希ちゃんとナマでしたい。ちゃんと外に出すから、安心して」
あたしは照れながら、脚を開いた。ギリさんが間に入って、またキスしてくれた。
どれだけぶりだろう。こんなに気持ちよくて胸がときめくセックスするの。
ギリさんのアレは太くて長くてカリ高だった。大きすぎて怖くなるほどじゃないけど、挿れられる前から期待が高まるほどの大きさ。亀頭は真っ黒に充血している。先端からは透明な液をしたたらせていた。それが前後にゆっくり揺れる様子は、まるでぶーんぶーんと唸りをあげているようにも見えた。
ギリさんが腰を浮かせて、位置を合わせる。アソコにアレの先っぽが当たる。
挿入が始まった。
日食のとき月がわずかずつ太陽を隠していくように、動いているのがほとんどわからないようなペースで、ギリさんの亀頭がアソコの入り口を押し広げていく。
ふたりの想いを積み重ねるようにじっくりと時間をかけて。
ゆっくりとつながっていく。
笑顔で見つめ合った。
あたしのアソコがギリさんの亀頭をつつみこんだ。
さらに奥へと入ってくる。
挿入されるときの感じが好きだ。
欠けていたものを取り戻して、自分が完全な形になっていくような気がする。
壊れてしまったあたしの心を、ギリさんのやさしさが直してくれる気がする。
愛だと思う。
単なる恋愛感情とはちがう。もっと深い気持ち。
ギリさんも感じてくれてる。表情を見ればわかる。
あたしのアソコで気持ちよくなってくれてる。
すべてを受け入れてもらえて。
すべてを受け入れてあげられる。
互いに思いやり、いつくしみ、心も体もひとつになっていく。
本当に気持ちいいセックスはそれを感じさせてくれる。
挿入が深くなるにつれて、快感がどんどん広がっていく。
愛が深くなっていく。
奥まで届いたとき、ギリさんが抱きしめてくれた。アソコでギリさんの形を感じる。ギリさんはそのままじっとしていた。あたしは挿入されるだけで感じるので、ギリさんが動かなくても、快感に満たされた体がときおりぴくぴく震えた。
快感の波が押し寄せるたび、アソコがキュッと締まってギリさんのアレを締め付ける。
「あったかい。沙希ちゃんの中。すごく気持ちいい」
「あたしも気持ちいい。うれしいよぉ」
ふたりの体が十分になじんできたと感じたのか、やがてギリさんは腰を動かし始めた。
ゆっくりと奥の方を押してくる。
ギリさんはすぐにあたしの感じるポイントを探しあてた。
泉のようにわきあがる快感に、あたしは両手でギリさんの肩をつかんだ。
「ふあっ……、あうう……、はうぅ……」
アソコが熱い。
ギリさんの息遣いも荒くなってきた。
頭がぽーっとなって、だんだん何も考えられなくなってきた。
「あん……、いい……、やん……」
体の中を駆け巡る波は、嵐になって。
好きという気持ちだけで満たされていく。
甘い快感に全身がとろけていく。
「あうぅ……、ああっ……、あ……、あッ……、あっ、あ、ああッ!」
快感の塊が奥からせり上がってきた。
イクんだ、と思って身構えた瞬間、飲み込まれた。
[援交ダイアリー]
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