レオくんのピストン運動でベッドがリズミカルに揺れている。則夫さんはしっかりと足を踏ん張って、びくともしない。
則夫さんは人が変わったみたいに思えた。
まるで魔王だ。
いつもの優しい則夫さんとは全然違う。
荒々しくて、力強くて。
ああ、でも。
乱暴に扱われているのに、なんだか気持ちいい。
あたしってMの気があるのかな。
レオくんに背面座位で突かれながら、舌だけを使って則夫さんへの愛撫を続けると、則夫さんの息が荒くなってきた。あたしも興奮して動きを速くした。則夫さんがあたしの頭を掴んだ手を前後に小さく動かす。上と下のピストン運動がシンクロして、波動があたしの全身を満たしていく。
そして、則夫さんとレオくんが同時にイッた。
「あ、あ、ああっ!」
レオくんがなまめかしい声をあげた。
則夫さんは小さく唸っただけだった。
あたしの口の中にどろどろの液が溢れた。レオくんのモノをフェラチオしたときは、射精するまで口に含んでいられなかったから、口内射精はこれが初めての経験だ。でも、則夫さんは放してくれない。どうしようかと思ったけど、思い切ってその苦い液を飲み込んだ。匂いはきつくないけど、とろみがあって飲み込むのは辛かった。
則夫さんはあたしの口からアレを引き抜いた。ソレはまだ硬く勃起したままで、たくましく上を向いていた。
あたしは少しむせて、飲み込みきれなかった精液が口から垂れた。則夫さんが身をかがめてあたしにキスをすると、自分の精液を舐めとった。
「さて、ふたりに訊きたいことがある」
取調官のように則夫さんが言った。どんなごまかしも通じないと思わせる口調だ。レオくんも体を固くしたのが伝わってきた。レオくんはまだあたしに挿入したままで、則夫さんと同じくまだ硬い。
「このところ、ある女性から頻繁に声をかけられていたのだが、それはお前たちの不倫と関係があるのかな?」
「女性って?」
思わず素で聞き返した。
「奈緒美と同じ店で働いていた女子大生だ」
その言葉に、あたしの頭の中でパズルのピースが組み上がっていくように感じられた。新妻の不倫だと思っていたもの、あたしひとりの問題だと思っていたものの背後に隠れていた陰謀。
「理紗子……?」
則夫さんがうなずいた。
あたしは背後のレオくんに尋ねるように首を回した。レオくんは観念したように、
「理紗子さんは同じ学部の先輩だってことは話したでしょう。奈緒美さんのことを探っているときに、奈緒美さんと仲の良い理紗子さんが同じ大学の学生だということを知ったんです。しかも、理紗子さんは友人の旦那であるノリちゃんのことが好きだった。それで、協力することにしたんだ。ぼくが奈緒美さんを誘惑するから、不倫がバレたあとで理紗子さんがノリちゃんとくっつくように」
やっぱりそうだったんだ。理紗子は以前から則夫さんのこと熱い視線で見ていたもんね。でも、まさかあたしが結婚したあとも諦めてなかったなんて。
「もちろん、最後まで協力するつもりはなかったさ。ぼくの目的は奈緒美さんからノリちゃんを奪い返すことだったからね。理紗子さんにノリちゃんを渡すはずないよ」
「レオ、言っておくが、俺が奈緒美を捨ててお前の元に戻ることなどありえないぞ」
則夫さんがそう言うと、レオくんは不満そうに黙り込んだ。
「じゃあ、則夫さん、あたしのことを……」
「勘違いするな。俺たち夫婦は元どおりには戻れない。さっき言ったように、俺たちは変わらなきゃならないんだ」
則夫さんが身をのりだしてあたしをレオくんもろともうしろに押し倒した。繋がったままのアソコが引きつった。則夫さんがあたしの膝を押し広げて、レオくんとの結合部をじっと見つめた。恥ずかしくて顔が熱くなった。自分の気持ちとは裏腹に、蜜が溢れてくるのがわかった。
[新婚不倫]
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