いけない進路相談 (29)

(太くて……、長い……)

とうとう根元まで飲み込んだ。膝を床について、矢萩に体重をあずけた。子宮の奥まで貫かれているのではないかと思えるほどだ。アソコにアレがぴったりはまっている。自分の体が矢萩のモノを包み込んでいるのを感じた。

操は矢萩の首に腕をまわして抱きついた。じっとしていても、熱い快感が体内に溢れてくる。

「抱きしめて、先生。ぎゅっ、てして」

矢萩のたくましい腕が操の体を包み込んだ。矢萩の筋肉質の胸板に乳房が押し付けられた。

(先生の体温を感じる。もっともっと、ぴったりくっつきたい)

胸の奥がせつなさでいっぱいだった。泣きそうだ。

運動部の練習の声や吹奏楽部の演奏の音が遠くに聞こえる。

夕日の光でオレンジ色に染まった放課後。

並んだ机、教卓と黒板。そんな教室の風景が目に入った。

いずれ卒業すれば、この風景はすべて失われてしまう。いつまでもこのままでいたいのに。矢萩との関係も、ずっといまのままというわけにはいかない。

そんなこと分かってるのに。

胸が苦しい。

「先生、大好き」

「俺もだ。操のことが大好きだ」

操は矢萩にしがみついたまま、腰を前後に揺すった。ゆっくりと、矢萩の腰に自分の腰をこすりつけるように動かす。動かすたびに、体内でアレが当たる場所が変わるので、操は無意識のうちにいちばん気持ちよくなるところを探した。

このままでいたい。

それが叶わないというなら、この瞬間にすべてを燃やし尽くしたい。

先生が与えてくれるセックスの快感だけは信じられる。

いつか捨てられる日がくるとしても、いまはすべてを捧げたい。

だって、先生が好きなんだもの。

うわ言のように喘ぐ操の口を、矢萩のディープキスがふさいだ。矢萩も腰を動かしながら、操の胸を手で愛撫した。矢萩は操の首筋から肩にかけて唇を這わせ、操は背筋がぞくぞくする快感にのけぞった。

下腹部の奥がきゅんきゅんする。

「はうう、先生、先生」

「操、かわいいな。今日のお前はすごくかわいい」

操のアソコから愛液がどっと溢れ、矢萩の股間を濡らし、床に滴った。

「あ、あ、あうーん、なんか、いつもと違う、先生、なんだか変だよ」

操はこれまでのセックスにはない感動を覚えていた。

抱き合ってキスをしながら全身を愛撫され、深い挿入からくる密着感を楽しみながら、子宮から溢れる快感に身をゆだねる気持ちよさは、いままで経験したことのないものだった。でも、それは肉体の快感だけではなかった。

心と心で深く繋がっている感じがする。それが、体が感じる快楽以上の悦びを、操にもたらしていた。これが対面座位なんだ。

「好きだ、操」

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