第7話 えっち大好き! (01)
夕焼け空に照らされて、栄寿さんのほっぺたが赤く染まっている。
栄寿さんが立ち止まってわたしを背負いなおした。その拍子にスカートがめくれて、パンツごしのアソコが栄寿さんの背中に密着した。
「重い?」
「大丈夫だよ、莉子ちゃん。ぼくだって大人の男なんだからね」
すこし息を切らせながら栄寿さんが答えた。
夕方まで水族館ではしゃいだ挙句、帰り道で、疲れたァ、もう歩けなーい、とボヤいたら、栄寿さんがおんぶしてあげると言ってくれたのだ。小学六年生にもなって、疲れたからおんぶしてもらうなんてありえない。そう思ったけど、大人っぽさを見せたがってる栄寿さんには甘えてあげるのも姪の務めだ。
「ジンベイザメ、大きかったね」
「うん、大きかったぁ。また来たいな。ね、栄寿さん」
そう言って、ふくらみかけの胸を栄寿さんの背中に押し付けた。栄寿さんが困ったように笑った。
ノースリーブの黒のブラウスの下には下着を付けていない。十一歳になって、おっぱいがふくらんできた。ブラジャーも使ってるけど、きょうははずしてきたんだ。だって、ブラジャー付けてるのが栄寿さんに気づかれたら恥ずかしいもん。
「そうだな、また一緒に遊びに行こうね。でも、莉子ちゃんもそろそろボーイフレンドとお出かけしたくなる年頃じゃないのかい? 親戚のおじさんとじゃ、あまり楽しくないだろ?」
「そんなことなーい。わたし、栄寿さんのこと大好きだもの。ママだって、いつも栄寿さんに遊びに連れてってもらいなさいって言うし。ママはきっと栄寿さんのこと気に入ってるのよ。夏目おじさんのことはそんなふうに言わないもの」
栄寿さんの頭に顔をくっつけて甘えてみせた。
「うーん、まあ、兄さんと莉子ちゃんのお母さんのあいだには、いろいろ難しい事情もあるだろうからね」
「栄寿さんはママのこと好き?」
「え!?」
栄寿さんが思わず立ち止まった。
「結婚するならママみたいな人がいいって、前に言ってたじゃない。あ、もちろん、ママを好きになってもダメよ。ママはパパと結婚してるのだもの。そうじゃなくて、ママみたいなタイプが好きなのかしら、ってことよ」
「ははは、そういう意味ね。うん、まあ、そうだな。好きだよ。ずっと前から好きだったんだ。ぼくがまだ莉子ちゃんくらいの歳の頃から、ずっと恋焦がれているんだよ」
「だーかーらー、ママにはパパがいるからダメだってば。そうだ、わたしのことはどう思う? いまはママにはかなわないけど、すこしは魅力あるかな?」
「うん……。すごく魅力的だよ。抱きしめたくなるくらい」
わたしの太ももをすべすべした手でなでながら、栄寿さんがつぶやいた。
栄寿さんのことが愛しくなって、きゅっ、と抱きしめた。
「いいよ、栄寿さんなら。ママの代わりになってあげる」
「莉子ちゃん……?」
「ねえ、栄寿さん。わたし、もうセックスだってできるんだよ」
わたしはおんぶされたままブラウスのボタンをはずした。
「ほら、胸だってこんなに大きくなってきたよ。ぜんぶ栄寿さんにあげる。ママはパパの奥さんだからダメだけど、わたしならいいんだよ。わたしをママだと思って。ママにしたのと同じことを、わたしにもしていいよ」
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