あたしはお母さんが不倫してできた子だったんだ。お父さんがそれを知ったのは、あたしが五年生のときだったそうだ。あたしはお父さんからそのことを聞かされた。
真実を知ったお父さんはあたしを強姦した。
お父さんはあたしのことが好きになりすぎて、あたしの体が欲しくなっちゃったんだと思った。あたしはお父さんのこと大好きだったから、これはうれしいことなんだって思おうとした。恋人になったんだって思おうとした。
でも、違ってた。
あたしはお父さんに嫌われたんだ。
それが確信できたのは、知らない男の人をお父さんが連れてきたときだ。あたしは売春をさせられた。お父さんの目の前で泣きながら犯された。終わったあと、お父さんはあたしを生ゴミを見るような目で見た。
――お前は俺の娘じゃない。
あたしの存在がずっとお父さんを傷つけていたんだ。
あたしが憎いから、あたしが嫌いだから、あたしが生まれてきたことが許せないから、だから、あたしを苦しめずにはいられなかったんだ。
それでもお父さんのことを嫌いにはならなかった。憎んだりもしなかった。悪いのはあたしなんだもの。罪を償いたいから、何をされてもがまんした。ただ、許してもらいたかった。
あたしはお母さんのことも傷つけていた。あたしがお母さんからお父さんを奪ってしまったから。
お父さんが家を出ていってしばらくした日、あたしは自宅に侵入してきた二人組の男に強姦された。その日に限ってお母さんは帰ってこなかった。何時間も犯されてビデオを撮られた。男たちが帰ったあと、一晩中、真っ暗なリビングに横たわっていた。朝になって戻ってきたお母さんは、壊れたあたしを見て半狂乱になった。
男たちはお母さんが復讐のためにお金で雇ったのだと、あとでわかった。そのことを後悔して、お母さんは自分を責めた。
あたしの家族はめちゃめちゃになってしまった。
ぜんぶ、あたしが生まれてきたせいだ。
お父さんもお母さんもあたしを許してくれない。
だから――。
村岡さんとの親子デートは夢のような時間だった。
たしかに最初は、淫売と呼んであたしを否定した村岡さんに、あたしのことを認めさせてやろうと思った。誘惑してセックスに持ち込んで、援助交際を成立させてやろうと思った。
でも、ほんとはそんなことどうでもよかった。
いっしょにいられてすごく楽しかった。
いっしょにいられることがうれしかった。
やさしく抱いてもらえてしあわせだった。
なのに、それが村岡さんを傷つけてしまった。
「大好きなのに……」
大好き……。
そのとき突然、天啓のようなものを感じた。急に頭の中がはっきりして、何もかもが見通せるような感じがした。
そうなんだ。あたしはこの人のことを好きになってるんだ。
あたしは運命を信じてる。村岡さんと出会ったのも運命だと思う。亡くなった娘さんが援助交際をしていたことで悩んでいる村岡さんと、お父さんに憎まれて援助交際をしているあたし。あたしたちはお互いのために出会ったに違いないんだ。
お父さんのこともお母さんのことも関係ない。
村岡さんのことが好きだ。この人の力になりたい。
それ以外に何を考えることがある?
あたしはすすり泣きをやめた。
村岡さんは一心不乱に腰を動かしている。あたしのことなんて考えていない動きだから、ぜんぜん気持ちよくない。こんなのセックスじゃない。
あたしは体をよじったけれど、村岡さんは動くのをやめない。理性が吹っ飛んでいて、止まらないんだろう。
だったら――。
アソコに力を入れて、村岡さんのアレをキュッと絞めつけた。村岡さんが一瞬動きを止めた。腰を引いたところだったので、アレは半分くらい挿入された状態だった。
締め付けを調整して、アレを奥に引き込むように動かした。普段からディルドで練習してるけど、実践するのは初めてだ。村岡さんが抗うことなく奥へ入ってきた。
膣内を動かしてアレを刺激する。奥の方を締め付けると、村岡さんがうめいた。
根元、中間、先端と、順番に絞めつけては緩める。
四、五回それを繰り返すと、アレがふくらんで、びくびくと震えた。
「さ、沙希……ッ!」
村岡さんはあたしのお尻をつかむと、あわててアレを引きぬいた。その瞬間、熱い精液がお尻に浴びせられた。
[援交ダイアリー]
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