新婚不倫 (34) Fin

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さんざん悶えたせいか、それとも汗で濡れたせいか、あたしの手を縛っていたネクタイの結び目が緩んできた。このままほどけてしまうのはもったいないような気がする。楽しい時間が終わってしまうような名残惜しさを感じる。

ねえ、今度はもっと本格的に、身動きできないほど全身をきつく縛ってよ。

あたしの自由を奪って、思う存分いじめてよ。

則夫さんの好きにしていいから。

だから、もっともっと気持ちよくさせて。

「ああああっっ!」

とうとうネクタイがほどけた。あたしは自由になった両腕を則夫さんの首にからめてしがみついた。

あたしがイクのと同時に則夫さんがあたしの中に放った。

則夫さんはあたしから出ると、全身を快感に震わせるあたしを両腕で抱えた。レオくんとはまだ繋がったままだ。則夫さんはあたしの太ももを持って、ゆっくりとあたしの体の向きを変えた。レオくんのアレを軸にして、あたしの体を回転させる。アソコがじんじんする。あたしはレオくんと向き合う形で、騎上位の姿勢になった。

「ノリちゃん、理紗子さんが来るの?」

「どうかな」

「理紗子が来たらどうするの?」

あたしも訊いた。本当にパーティーをするわけでもないだろう。則夫さんが理紗子に酷いことをするとは思えないけど、もしかしたら懲らしめてやろうと考えているのかもしれない。

「理紗子に抱かれるところを想像してみろ。俺やレオでは与えてやれない、想像もできない、女どうしだけで得られる悦びを」

体の芯がズキンと疼いた。

あたしが理紗子と……!?

則夫さんはあたしのために買ってきてくれたシュークリームの箱を開けた。シュークリームをひとつ取り出して、あたしのお尻に押し付けた。ぐちゅっと潰れてクリームが飛び出した。則夫さんがクリームをあたしのお尻に塗り込めた。

則夫さんのモノがあたしのお尻に入ってきた。

「あう、あふぅ」

快感が急上昇する。

あたしはレオくんを見た。

レオくんだけの場所はなくなっちゃったね。

レオくんもあたしを見つめて微笑んだ。則夫さんの言う新しい関係を、もうレオくんは受け入れているんだな。

則夫さんとレオくんがあたしを共有する関係。

あたしは則夫さんの妻。そしてレオくんはあたしの愛人で、同時に則夫さんの愛人。

則夫さんにとっては、妻と昔の恋人の両方を手に入れたことになる。

あたしたちの関係は壊れなかった。変わったんだ。

理紗子は来るかな?

来て欲しいな。

理紗子はあたしより美人だ。胸はBカップだけど、きっと形はきれいだろうな。

理紗子は女どうしでするセックスをどう思うかな。

あたしのことを抱いてくれるかな。

嫌がるかな。

気持ち悪いって思うかな。

あたしはどうだろう。女どうしのセックス。

理紗子とのセックスなんて、想像もできない。

則夫さんがレオくんとセックスする横で、あたしと理紗子がセックスする。

あたしと理紗子と則夫さんとで3Pするのはどうかな。

理紗子と則夫さんのセックスも見てみたい。

それから、理紗子と正常位でからみながら、あたしたちふたりを則夫さんとレオくんにバックから抱いてもらうんだ。

どきどきする。

わくわくする。

「ああっ、あうあうっ、ああんッ、イイっ!」

則夫さんとレオくんのふたりがあたしの中で暴れまわる。

お腹いっぱいだ。

則夫さんとレオくんの気持ちが通じ合っているんだろう。

ふたりの愛撫のリズムは完璧に合ってる。

則夫さんが腰を引くとレオくんが突き上げる。

レオくんが腰を引くと則夫さんが突き上げる。

リズミカルな二本のピストン運動があたしを苛む。

ふたりのモノがあたしの体内で薄皮を隔ててこすれあう。

あたしをいままで感じたことのないはるかな高みへと引っ張り上げていく。

幸福感で満たされていく。

「ダメッ、おかしくなっちゃうよ。こんなの初めて。きょうは初めてのことがいっぱいで、もう、飛んじゃう!」

あたしはレオくんにしがみついて、乱暴なキスをむさぼりながら、おっぱいを押し付けた。

「ああっ、あうううぅぅぅ、ああん、あっ、あっ、ああぁぁぁぁっっっッ!」

窓が開いているけど、構わずに大声をあげた。きっと近所に聞こえてるな。でも、こんなすごい気持ちよさに耐えるなんてぜったいムリ。

則夫さんとレオくんの動きがどんどん激しくなる。

ふたりともフィニッシュが近いんだ。

体中に快感の大波が荒れ狂ってる。

息ができない。

全身がピクピクと痙攣する。

熱い。

何も考えられない。

落ちていく感覚。

頭の中が真っ白になる。

新しい世界が始まるんだ。

急に体の奥が熱くなった。

まるで熱湯を注ぎ込まれたみたい。

そして、あたしは……。

生まれて初めて気を失った。

おわり

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