第8話 ショートポジション・ガール (15)
あたしと出会ったせいで、一条さんをこんなに傷つけてしまった。
あたしを壊したと思い込んでるせいで、一条さんがこんなに傷ついてしまった。
もともと壊れてる子なんだから、気にしなくていいのに。
どうしたら許してもらえるの?
そのとき、あたしの体を押しのけるように、小川さんが横に割り込んできた。
「わたしにもやらしてください」
と、小川さんはあたしににっこり微笑んだ。それから一条さんを見上げると、思いっきり甘えた声で言った。
「いいでしょ、お兄ちゃん?」
そのとたん、一条さんの表情が怖れをなしたようにひきつった。アレがふくらんで、亀頭が包皮から飛び出した。サオがゆっくりと太さを増し、鎌首をもたげる。袋が岩場に隠れようとするタコのように小さくなっていく。
あたしは小川さんと顔を見合わせた。そしてふたり同時に一条さんを見上げた。
みんなの気持ちがひとつになっていく。
あたしと小川さんは声を合わせて言った。
「大好き、お兄ちゃん! エッチなこと、いっぱいしていいよ」
ついにアレが勃起した。一条さんの心の奥の欲望に火がついた。
「うおおっ、きみたち! くそッ、なんてことだ」
一条さんが苦しそうな顔でうめいた。妹という新しい刺激に傷痕が溶かされていく、それに理性が抵抗してるんだ。
アレはどんどん大きく、太く、硬くなっていく。
小川さんが亀頭を口に含んだ。なかなか堂に入ったフェラチオだ。いつもお父さんにやらされてるんだろう。あたしもサオを舐めた。
「お金を渡せば、当面きみは体を売らなくて済む。そんな言い訳をしてみても、俺のやったことは言葉巧みに女子中学生を誘惑し、欲望のままにレイプしたってことだ。沙希ちゃんの人生を台無しにしてしまった。そう思ったんだ。だから報いを受けるのは当然だと思っていた。それなのに、また少女に欲情してしまっている」
「一条さんはあたしを救おうとしてくれました。その気持ちにウソはなかったはずです。その気持ちがうれしかったから、あたしは援交したんです。それに、男の人が十代の少女とセックスしたいと思うことは、ごく自然なこと。やましい気持ちをいだく必要はないですよ。あたしたちとエッチしたくないですか?」
亀頭が赤黒い光沢を放ち、袋はもうほとんどなくなってる。
「ぐああっ! 俺の負けだ、沙希ちゃん」
一条さんが勢いよくスウェットを脱いで上半身も裸になった。
「そっちのきみは名前はなんと言ったかな?」
「美菜……、ミーナ、です」
「ミーナちゃんか。しかし、いまのきみを買うわけにはいかない。気持ちはわからないではないが、援助交際をすることが自分にとってどんな意味を持つのか、もう一度じっくり考えてみた方がいい。それだけの価値のあるものを、きみは賭けているんだよ」
あたしはアレにコンドームをかぶせた。
「ミーナちゃんとは本番なしってことで譲歩しましょう。でも勃起したんだから、プチサポしてあげてくださいよ。それから、これは前回のお釣りだよ」
一条さんをベッドに押し倒して、騎乗位でまたがった。小川さんに手を伸ばして、
「ミーナちゃんは一条さんの顔の上に」
一瞬だけ恥ずかしそうな表情を見せた小川さんは、すぐに好奇心が勝ったらしく、
「し、失礼します」
と言って一条さんの頭をまたいだ。
「女子高生の妹との騎乗位、プラス、顔面騎乗。滅多にできない体験でしょ?」
「沙希ちゃん、きみはいつもノーパンなのか? ふぉがッ」
小川さんの黒タイツに覆われた股間が、一条さんの口をふさいだ。小川さんはあたしと手をつないで、照れ笑いした。
あたしはゆっくりと腰を落として、挿入した。
「一条さん、あなたはセックスの道具としてあたしたちをお金で買ったわけじゃない。欲望に負けたわけじゃない。たったいま、ミーナちゃんに言ったことが証拠です。だから自分を責めなくていいんです。理性ではなく、感情でもなく、体の奥でわかるんです。一条さんがあたしたちのことを大事に考えてくれてるって」
女子高生とのセックスを受け入れたのか、一条さんが小川さんの太ももに両手を添えた。
小川さんが顔を赤らめて、声をあげるのを我慢してる。タイツとパンツごしにクンニされてるんだ。
あたしも腰を動かした。今度こそ、あたしとのセックスを堪能してもらおう。
セックスは気持ちいいものなんだ。
心と心が溶け合ってひとつになれることの感激。
お金なんかじゃ買えない。
こんなステキなこと、いっぱいしなくちゃもったいないよ。
[援交ダイアリー]
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