第4話 好きって気持ち (03)
次の日の午後、もなかさんが黄色のスポーツカーでわたしの家まで迎えにきてくれた。
わたしは栄寿さんの趣味に合わせて、エプロン付きの花柄ドレスを着ていこうと用意していた。だけど、それじゃ意外性がないなと思い直した。
替りに選んだのは、パステルピンクの超ミニのフリフリドレスに白のタイツ、赤いリボンパンプスだ。髪は大きな白いリボンで結んでサイドポニーにしてみた。きのうとはちょっと違ったイメージだ。
姿見の前で身だしなみをチェック。清純かつ元気な少女っぽさの中に、そこはかとない色っぽさも感じさせる。
「うん、いい感じ」
もなかさんがわたしの着替えを詰めたバッグを、スポーツカーのフロントトランクに押し込んだ。寝るときはいつもぬいぐるみを抱いてるけど、それは持っていかないことにした。
わたしはしばしの別れを惜しんでパパとママと悠里にキスをすると、車に乗った。もなかさんもパパとママに挨拶をして運転席に乗り込んだ。
わたしたちの乗った車は、静かな街に大きなエンジン音を響かせて走りだした。
きのうと違って、街中でのもなかさんの運転は丁寧だった。栄寿さんの暮らす夏目家の別荘までは、一時間ほどだ。
(また栄寿さんとえっちできるんだ。いっぱいセックスしたい。こんどはどんなふうに抱いてもらえるかな。きのうの初体験はさすがに緊張して、あんまり味わえなかったもんね。うふふ)
まだアソコにものが挟まっているような感じがする。
もなかさんに気づかれないよう、タイツの上からそっとアソコに触ってみた。
栄寿さんのアレがここに入ったんだ。
栄寿さんの精液が垂れてくるような気がするよ。
たっぷりと注ぎこまれたんだな。
「はううぅぅ」
初体験のことを思い出して、ひとりで悶えた。
(早く会いたい。栄寿さんともっともっとセックスしたいよ)
いろんな人とセックスしたいって思ってたけど、いまはそんなこと、どうでもいいと感じられる。なんか、もう栄寿さんだけでいい。
栄寿さんは少女が好きだって言ってた。ロリコンってやつだ。小さい頃から知ってるお兄さんで血縁でなかったら、たぶん、気持ち悪いなって思っただろう。わたしは栄寿さんが悪い人じゃないって知っているから、変な目で見たりしない。
それに、栄寿さんにはわたしが必要なんだ。
わたしの成長に合わせて、少しずつ大人の女に慣れていけばいいじゃん。
そして、大人になったら……。
結婚……、とか?
(きゃーっ、やだぁ、もう!)
自然と顔がにやけてしまう。
「きのう、あんなことがあったばかりだというのに、どうして莉子お嬢さまは、また別荘に滞在したいなどと言い出すのですか。わたくしは反対です」
ずっと黙っていたもなかさんが不機嫌そうに言った。きょうのもなかさんは、きのうのような優しさが感じられない。
「あんなことって……、栄寿さんとセックスしたことをおっしゃってるんですか? あれは合意の上のセックスだと、説明したじゃありませんか」
「わたくしはあまり感心しませんわ。莉子お嬢さまは、まだ十四歳。性体験をするには早すぎると思いますわ」
わたしが内心とてもはしゃいでいるのを見抜いて、年長者としてひとこと注意しなくてはと思ったのだろう。
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