パパはまじめな顔でしばらく考え込んだ。それから持っていたカメラをストラップで肩にかけた。
パパが近寄ってきて、抱きしめられた。
気持ちがやすらぐ。気負いも緊張もない。
パパを愛してるという気持ちでいっぱいだ。
パパは全裸のわたしを、お姫様抱っこした。
「パパ……?」
「場所を変えようか、莉子」
わたしは抱き抱えられたまま、パパとママの寝室に連れていかれた。寝室は窓が小さいせいで、昼間だけど薄暗かった。インテリアの雰囲気も落ち着いていて、静けさを強調している。
まるで、家にいるのはパパとわたしのふたりだけのような錯覚を覚えた。だけど、実際にはママも悠里もいるんだ。いまここでセックスするわけには……。
パパがわたしをベッドに横たえた。ローファーを脱がされた。
全裸にハイソックスだけの姿でやわらかいお布団の上に寝そべった。
(パパとママがいつもセックスしているベッドだ)
と思えばすこしは緊張するかと思ったんだけれど、そんなことはなかった。横幅が縦の長さより長いパパたちのベッド。ママがお仕事で留守のときにパパとふたりで寝たこともある。もちろんパパとだけじゃなくて、ママとふたりだったり、悠里と三人だったりってこともあるけど。
パパがカメラのレンズを交換した。
「見せて、莉子」
普段と変わらない優しい口調で言った。
ただのヌード撮影じゃない。これまでのヌードは、娘の成長記録みたいなものだった。いまパパが見せてと言ったのは、女としてのわたしの姿だ。
パパのカメラがわたしの裸体を舐め回すように撮影していく。
わたしは膝を立てて、脚をすこし開いた。パパにアソコを見せつける。
「どうかな、パパ」
「きれいだよ、莉子。すごく」
そう言われて安心した。自分のアソコがどうなってるかなんて、いままでよく見たことなんてなかったもの。
パパにもっとよく見てもらいたくて、両手を添えてアソコを広げるようにしてみた。
「ここに男の人のアレが入るんだね?」
パパの股間に目をやった。
どうかな。パパのアレは大きくなってるのかな。
ねえ、パパ、わたしとセックスしたくなった?
パパの指先がアソコに触れた。
「ひゃーん!」
くすぐったいよ。
そうして突然、気がついた。
わたしはぜんぜんドキドキしていないんだ。
パパのことが大好き。でも、それは家族としてだから。
パパがわたしに覆いかぶさるように上半身を重ねてきて、わたしを優しく見つめた。
「莉子、セックスはとても素晴らしいものだよ。お前にもそれを知ってほしい。でも、最初の相手がパパでいいのかな?」
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