「え、栄寿さん、恥ずかしいよぉ……」
「大丈夫。誰も見てないよ」
栄寿さんが見てるじゃんッ。
両脚を広げられて、わたしのアソコを潮風がなでた。我慢したり抵抗したりする気力が削がれてしまった。体の力も抜けていく。
「あううぅ」
おしっこが弧を描いて、はるか下の草むらに落下して音を立てている。止めようと思っても止まらない。両手で顔を覆って、あまりの恥ずかしさに悶えた。
やがて勢いを失ったおしっこが途切れた。太ももにちょっとついちゃったよ。
「栄寿さんのイジワル」
わたしは目に涙を浮かべて非難した。栄寿さんは笑顔でわたしにキスをして、
「ごめん」
とだけ言った。
それから、またお姫様だっこで部屋の中に連れ戻され、ベッドに寝かされた。
わたしのほうが誘惑してたのに、完全に形勢逆転されてしまった。
栄寿さんはベッドの上のラブドールを大事そうに抱きかかえて、床に置いた。
いよいよ初体験するんだ。
「栄寿さん、お願いがあるの。一生に一度のことだから、ゴムは着けないで、ちゃんと中に出してほしい。きょうは安全な日だから。あとは、栄寿さんに任せます。好きなようにしていいよ」
わたしが緊張して言うと、栄寿さんはにっこりと微笑んだ。
「好きだよ、莉子ちゃん」
「わたしも好き」
抱きしめられた。胸と胸、お腹とお腹が触れ合った。栄寿さんの肌は少しひんやりしている。だけど、絡め合う舌は熱い。
おしっこのせいで栄寿さんは我に返ったみたいだ。もう乱暴な愛撫はしない。優しくいたわるような、ゆっくりした動きで、わたしと体をこすり合わせる。
「ねえ、わたしが小学六年生のとき、水族館に連れて行ってくれたの覚えてる? 疲れたわたしをおんぶしてくれたよね」
「むかしはよくデートしたね」
栄寿さんの背中がすごく安心できたのを覚えてる。いまも、栄寿さんとの初体験を前にして、わたしの心は安らぎを感じていた。心臓は踏切の警報機のようにガンガン鳴っているのに、心は澄み渡っているんだ。
「また、デートしようよ。こんどは女子高生になったわたしとね」
栄寿さんは、ほっぺにキスをすると、続けて首筋に唇を這わせた。ひゃーん、くすぐったい。思わず体をよじった。なんか変な感じだ。ヘッドドレスの紐がキスのじゃまにならないかな。
それから、キスが肩へと続く。鎖骨を伝って胸元へ。栄寿さんの手がわたしの小ぶりな乳房を包み込んだ。ゆっくりと揉みまわされた。
「あふ……」
声が出ちゃった。
腕をあげさせられ、脇の下を舐められた。少し下のほうを舌で愛撫されると、ゾクゾクするような快感が走った。
栄寿さんは乳首を口に含んで、舌先で突っついた。
「あんッ。あう、やんッ」
栄寿さんの指先がわたしの脇腹をなでた。触れるか触れないかの愛撫で、探るようになでまわす。太ももの内側をなでられると、すごく気持ちいい。わたしは思わず両脚を突っ張った。
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