もしもまだバージンだったとしたら。あたしはいとこで幼なじみの拓ちゃんと恋人同士になって、校内でも話題のカップルになれていただろう。叔父さんたちの子供になって、拓ちゃんと一緒に暮らし、いずれは結婚して家庭を築いていけたんだろう。そんな未来はあたしにはもうない。
じゃあ、虐待も強姦もされてなかったとして、セックスにどれくらい興味を持っていただろうか。物心ついたときにはオナニーしてたような子だ。ひょっとしたら援助交際だってしてたかもしれない。セックスが大好きで、援助交際しつつ、何の引け目も感じることなく、彼氏だって作っていたかもしれない。
あたしは絶望に打ちひしがれ自暴自棄になったから援助交際をしてるわけじゃない。誰彼かまわず体を売ってるわけじゃない。まったく逆だ。あたしは援助交際に希望を見つけたんだ。
あたしの道がそこにあると感じた。その先にどんな世界があるのかわからない。あたしが何を見つけたいと思ってるのかもわからない。
だけど、あたしは先に進んでみたい。絶望の中でじっとしてるだけなんてできない。後悔することになるかもしれないけど、何もしないで死ぬよりましだ。
あたしはあたしでありたいんだ。
「そうは言っても、好きになった男に未練タラタラじゃないか、沙希」
と、田辺さんはあたしの首筋を舐めながらささやいた。
二十三日は祝日で学校が休みなので、午前中から田辺さんのアパートに来ていた。紺のブレザーにライトグレーのミニスカート、白のハイソックスという姿で、裸の田辺さんとベッドで絡み合っているところだ。
ブラウスの胸をはだけられ、乳首をくにゅくにゅされる。パンツの中に手を入れられ、アソコをいじられながら、快感に体をよじった。
「嫉妬してるの、せんせ?」
「嫉妬? いや、違うな。俺はこう考えていたのさ。もし沙希に付き合っている本命の彼氏がいて、そいつに隠れて援交しているとしたら、さぞかし俺は興奮するだろうな、と。ほかの男の女を寝取ってイカせるのは男の夢だからな」
「なんか田辺先生って、すっごいヘンタイさんみたい。もしもあたしが先生の恋人だとして、あたしがほかの男の人と援助交際してたらどう思うの?」
「おそらく気が狂うほど苦しむだろう。そしてお前に気づかれないよう、お前とほかの男とのセックスを盗み見て、狂ったようにマスをかくだろうな。自分の女がほかの男にイカされるというのも、それはそれでたまらなく興奮するものだ」
「ひゃあ、あっぶなーい。先生ってそーゆーマニアックな人だったんだ」
午後はセーラー服に着替えて二回戦。以前は上下紺のセーラー服だったから、今回は白の長袖セーラーを持ってきた。襟とミニスカートは紺で青のスカーフに紺ハイソ。
たっぷり前戯してもらったあと、スカートだけ脱がされ、正常位で挿入された。
「ねえ、先生。前みたいに両手を縛ってよ」
「どうした? 乱暴にされるのは嫌じゃなかったのか?」
「縛られるのが好きみたいなんだ。あたしってMみたい。でも乱暴にはしないで。やさしくイジメてほしい」
ほどいたスカーフで両手首を縛ってもらった。
支配されているという感じ。
包み込まれる安心感。
きっとあたしは男の人に助けてほしいんだ。
すべてを委ねて頼り切りたいんだ。
田辺先生のものになったという感覚。
それでも優しくしてもらえたとき、あたしの存在を認めてもらえたと思えるんだ。
「だから援助交際をしているのか? 沙希は自分に自信を持てないから、男に買われることで自分の価値を確認したいのか?」
「承認欲求を満たすため、ってこと? たしかにそれが一番おおきな理由だと思う。あたしには自己肯定感がまったくなかった。どうしてかなんて訊かないで。話したくないから。とにかく、気持ちいいことしてもらってお金ももらえるんだから、それがうれしいんだ。でもね、最近思うんだ。あたしはセックスが何より好きなんだって。すべてが満たされていたとしても、援助交際はしてたんじゃないかな」
三回戦目は赤いチェックのベストに、同じ柄のミニスカート、黒のニーハイ。こーゆーカワイイ系の制服は男の人を激しく欲情させるものだ。
対面座位で挿入され、腰を動かしながらキスをむさぼる。
いっぱい楽しんでほしい。あたしのことも、もっともっと気持ちよくさせてほしい。
「初体験はお父さんからのレイプだったんだ」
「それでセックスが嫌いにならなかったのか?」
「ぜんぜん。お父さんのことはいまでも好き。離婚して出て行っちゃったけど、また会いたい。たくさん練習したから、いまなら気持ちよくしてあげられると思う。成長したあたしをお父さんに抱かせてあげたい」
「やっぱり、沙希はエロ女子高生だな。それもとびきりの」
[援交ダイアリー]
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