下腹の奥がせつなく疼く。
気持ちいい。自分でするときより、ずっと気持ちよかった。
お兄ちゃんは体勢を変えて、あたしと身体を重ねるように横たわると、あたしの肩を抱いてディープキスをしてきた。あいているほうの手を伸ばして、あたしの股間にうずめる。お兄ちゃんの手がアソコに触れた。
あたしはピクンと身体を緊張させた。
アソコはもう愛液でネチョネチョに濡れていた。お兄ちゃんが指先で割れ目をなぞる。あたしは目をぎゅっと閉じて、快感に耐えた。アソコが熱い。まるで溶けたバターのように蜜が滴り、シーツを濡らしているのがわかる。
お兄ちゃんが指を入れてきた。オナニーではそこまでしたことはない。怖くなって、身体を強張らせた。浅く指を出し入れされると、愛液がとろとろと流れ出て、甘酸っぱい匂いが広がった。風呂上りのシャンプーの香りと、お兄ちゃんの男っぽい体臭と、うっすらとかき始めた汗の匂いが混ざり合って、いやらしい気分が高まる。
下半身が痺れるような感じがした。腰のあたりで生じた快感が背骨を伝い昇り、頭蓋骨の中を満たした。途中で胸の中にも溢れて、せつなさできゅんきゅんする。
それなのに、お兄ちゃんは別の指であたしのクリトリスを探り当てると、くりくりと転がし始めた。
ダメ。おかしくなりそう。
あたしはお兄ちゃんのキスを逃れて、口をぱくぱくさせて息継ぎをした。いままでのオナニーでは感じたことのない強烈な快感。お兄ちゃんはあたしが逃げられないように片腕で肩を押さえ、もう一方の手の動きを速くする。
「ひぃぃ、はぁぁぁうぅぅっ」
両手はシーツを必死に掴んで、背中をそらし、腰を浮かせて、襲ってくる快感に身悶えした。息ができない。心臓がばくばくして、全身から汗が噴き出すのを感じた。
「あううう、ぐぅ」
全身が硬直した。頭の中が真っ白になった。少しのあいだ身体がぴくぴくしたあと、力が抜けてベッドに落ちた。
はあはあぜいぜいと肩で息をして、お兄ちゃんの腕にもたれた。絶頂が過ぎたあとも、小さな波が何度も襲ってきた。そのたびに身体が痙攣した。
イッたんだ。あたし。お兄ちゃんの手で。
身も心もトロトロだった。
しばらくして、あたしが落ち着いてきたのを見てとると、お兄ちゃんが起き上がった。あたしの脚を開かせて、そのあいだに入る。
いよいよだ。いよいよお兄ちゃんのものになるんだ。
お兄ちゃんがアレの先っぽをあたしの膣口にあてがった。
怖い。
ダメダメ、緊張しないで、リラックスして、力を抜かないと。こんなに濡れ濡れなんだから、そんなに痛くないはず。
お兄ちゃんと目が合った。いくよ。きて。そんなアイコンタクトを交わす。お兄ちゃんが腰を進めて、あたしの中に分け入ってきた。
先端の丸い部分が入ってる。大丈夫。思ったより痛くない。そう思ったとたん、激痛がきた。お兄ちゃんがさらに奥へ入ろうとする。でも、あたしの身体が押し返そうとしていた。上に逃げないように肩を押さえられた。
「痛っ、痛いっ」
少しのあいだ我慢してて。お兄ちゃんの目が言ってる。うん、大丈夫だから。
「あうう、痛い、痛いよ、くうっ」
無理なんだろうか。入らないんだろうか。だけど、お兄ちゃんは強引に入れようとする。
「ぐ、はうぅ、あうあう、お兄ちゃん、痛い、痛い、痛いよう」
涙がポロポロとこぼれた。想像してたのより、ずっと痛い。こんなに痛いなんて思ってなかった。あたしはなるべく大声を出さないよう、歯を食いしばって耐えた。階下ではお母さんたちが寝てるんだ。あたしが大きな声をあげたら、気づかれちゃう。
お兄ちゃんは体勢を変えると、あたしにのしかかるようにして体重をかけてきた。ずぶずぶと入ってくる。すると、ぶちんッ、と何かが千切れるような感覚があった。音が聞こえたような気がした。
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