第11話 恋のデルタゾーン (01)

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 たっぷりの前戯のあと、ゆっくりと挿入された。

 奥まで入ってくると田辺さんはあたしをじっと見つめて、

「やっぱり沙希の中は最高に気持ちいいな」

 とささやいた。

 うれしくなって照れ笑いすると、そっとキスされた。

「愛してる、沙希。大好きだ」

「あたしも大好き、喜史さん」

 いまだけは田辺さんがあたしの恋人だ。

 長袖クリームセーラー服の前をはだけられた姿でベッドに横たえられていた。やさしく抱きしめられる。田辺さんは全裸だ。肌が触れ合うお腹と乳房に熱い体温を感じた。体重をかけないよう体を密着させながら、もう一度キスしてくれた。

 もう三十分以上もかけて丁寧に愛撫されつづけていた。キスで繰り返しイカされている。心も体もトロトロだ。

 切なさと愛しさがこみあげてきて、あたしは田辺さんの背中に両手をまわして引き寄せた。男性的な固く引き締まった筋肉があたしのおっぱいをプニョンと押さえつけた。ベッドがかすかにきしんだ。

「かわいいな、沙希は」

 胸の奥がキューンと痛くなった。息苦しい。心臓が壊れてしまったみたいに急に鼓動が速くなって、全身の細胞が破裂して中身がこぼれだしたように感じられた。

 恋に落ちた瞬間だ。

「好きです……。喜史さんの彼女になりたい……」

「お前はもう俺の女だ、沙希」

 あたしは割と本気で言ったのだけど、田辺さんは軽口で答えた。この人が言っているのは、お前は俺に買われたんだから体を好きにさせてもらうぜ、という程度の意味だ。

 きょうは二回分のお金をもらってる。午前中はブレザー女子高生を監禁レイプ、お昼を挟んで二回目はセーラー服女子高生との恋人セックスだ。

 田辺さんは三十歳で独身、大学の講師をしている物理学者だ。長いブロンドを後ろで束ね、競走馬みたいにしなやかな体と精悍な顔つきは学者にしてはカッコ良すぎる。でも、女子高生の制服を半脱ぎにして犯すことを好むあたり、ロリコンの変態紳士だ。あたしのせいで恋人と別れてからはリピーターになってくれてる。

 いまはあたしがこの人の恋人だ。

 いまこの瞬間、あたしはこの人に恋をしてる。

 だけど――。

 本当の恋って、どんな気持ちなんだろう。

 あたしがいま恋だと感じているこの気持ちは、ほんとに恋なんだろうか。ほかの女の子たちがクラスの男子やかっこいい先輩に対していだく恋心と同じものなんだろうか。

 来週になればあたしは別の男性に抱かれて、その人にもやっぱり恋をしてしまうのだ。

 ひょっとして、あたしはセックスの快感を恋だと勘違いしてるだけなんじゃないか。

 そんな疑念を否定しきれない。

「ん……」

 あたしの中にいる田辺さんのアレから、じんわりと快感が広がってくる。

 田辺さんはまだ動かない。あたしのアソコが田辺さんの形を覚えるのを待ってるみたい。

 じっとしてるだけなのに、どんどん気持ちよくなってくる。

「んん……、はふぅ……」

「気持ちいいのか?」

「……うん」

 あたしはちいさくうなずいた。

「どこが気持ちいいんだ?」

「お……、おま……、……こ……。……いじわる」

 田辺さんの目が満足気に笑った。それから体を起こすと、白ニーハイにつつまれたあたしの両脚を持ち上げた。靴下越しにあたしのふくらはぎにキスをした。

「沙希は美人だが、特にこの長くて細い脚が魅力的だな。とてもきれいだ」

 抱かれているとき、愛してるって言われるのもうれしいけど、きれいだって言われるのはもっとうれしい。

 田辺さんはあたしの脚を両手にかかえて、ゆっくりとアレを抜きはじめた。

 とたんに体がビクンッと反応した。

 胸の前で両手を合わせて、襲ってくる快感に顔をゆがめる。

 アレが入り口のところまで戻ると、そこからふたたびそっと押し込まれた。

 Gスポットを狙い撃ち。

 さらに奥へと押し込まれ、子宮の入り口まで届く。

 そして、入ってきたときと同じゆっくりした動作で戻っていく。

「うう……、はぅぅ……」

 深呼吸をするように深いストロークでピストンが繰り返される。

 もう何度もイカされていたあたしは、すぐに高原状態に入った。

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