第6話 雪降る街のキス (02)

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「じゃあ挿入してみようか。沙希が気持ちいいと思えるように動いてごらん」

「なんか、恥ずかしいよ」

あたしがためらうと田辺さんは微笑んだ。

「男にとっての騎乗位の魅力は、女が快感を求めて乱れる様子を下からじっくり眺められるというところだ。恥ずかしいのに勝手に腰が動いてしまう。そんな自分に戸惑う姿がかわいいのさ」

「もー、いじわるだよ」

「俺を気持ちよくさせてやろうとは考えずに、はじめは自分が気持ちよくなることだけを考えて動いてごらん。そんなのオナニーと変わらないと沙希は言ったけど、沙希が気持ちよくなるところを見たいんだ。男はそれが気持ちいいんだよ」

そうゆうものなのかな。

あたしは丸い亀頭がアソコにあたる感触を確かめながら――。

ゆっくりと腰を落とした。

ぬぷっ、と、めりこむようにアレがあたしの中に入ってくる。

勃起したときのアレの角度は人によって違う。おへそに付くほど反ってる人もいて、騎乗位のとき女性が体を反らせたりすると、かなり痛いらしい。田辺さんのように真上を向いていれば、騎乗位でも動きやすいだろうと思う。

田辺さんの表情を観察。

余裕の表情。あたしを試してる。

目が合った。あたしを観察してる。

アソコの中でアレが硬さを増し、もっと大きくなった。

腰のあたりにしびれるような快感が広がる。

アレがどんどん奥へ入ってくる。

「んん……、ん……」

ビクビクと体が震える。

ゾクゾクする快感が背筋をかけのぼる。

思わず目を閉じた。

「ふふふ、敏感だな、沙希は。高校一年生なのに感度がよくてエロい体だ」

「バカにしないで」

「褒めてるんだよ」

田辺さんの口調に、初めて会ったときの擬似レイプを思い出した。

こっちだって負けてられない。

半分ほど入ったところでいったん止めて、田辺さんをじらしてみる。

じらしてるつもりだけど、アソコにじゅわぁっと快感があふれてくる。

アソコが田辺さんのモノを引きこもうとするような感覚。

あたしの方が早く欲しい。

早く中まで挿れたい。

その気持ちを抑えて、すこし腰を浮かせ、亀頭の部分だけを残してアレを抜く。

ゆっくりと腰を前後左右に揺すって、アレを刺激。

「む……ッ、く……」

田辺さんがかすかにうめき声を漏らした。

さっき出したばかりだからまだ亀頭が敏感なはずだ。

それをアソコで包み込んで、腰を揺らす。

アソコの内側で亀頭をこする。

閉じていた目をあけて、ふたたび田辺さんの表情を観察した。

うっとりとした笑顔。

あたしがアソコをキュッキュッと締めると、そのたびに田辺さんがかすかな声をあげた。

「どお? せんせ。気持ちいい?」

「ああ、気持ちいい。だが、そんなにじらさないで、早く挿れさせてくれ。お前のことももっと気持ちよくさせてやる。もっともっと淫乱になったお前を見せてくれ。それとも本気で乱れるのが怖いのか?」

田辺さんがつんつんと腰を突き上げて挑発してくる。

――『自分が気持ちよくなることだけを考えて動いてごらん』

そうすることには抵抗があった。

田辺さんが言うように、怖いのかもしれない。

だけど……。

――『沙希が気持ちよくなるところを見たい』

これって羞恥プレイなのかも。

そう思うと、なんだか……。

思いっきり恥ずかしい姿をさらけだしてみたくなる。

自分がMじゃないかというのは気づいてるんだ。

それを受け入れるのは怖い。どうなっちゃうかわからないもの。

だけど、心のガードをぜんぶ外して、すべてをさらけだしてみたい。

あたし自身も知らない本当のあたしを、さらけだしてみたい。

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