第16話 世はなべて事もなし (08)

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 藤堂先生はあたしにスカートを脱いでソファに座るよう指示した。言う通りにすると、膝を折り曲げるように言われ、両膝をM字開脚縛りの要領で縛られた。太ももにロープが食い込んで、胸がドキドキする。

 図書室の出入り口の戸に目をやった。もしも誰かがあの戸を開けたら、言い逃れのしようがない。

 緊張したあたしの表情を見て、先生がニヤリとした。

 先生はあたしの手をつかんで、足首の内側に押し付けると、手首と足首を縛り付けた。これで脚を閉じることができなくなった。うっすらと湿り気を帯びたパンツの股間を見つめられると、恥ずかしさでいたたまれなくなる。ほっぺたが熱くなるのを感じた。

 最後にハンカチで猿ぐつわをされた。

 もぞもぞと体を揺する以外に身動きできず、うめくことしかできないあたしをながめて、先生は満足そうにうなづいた。

「いい格好だ、美星」

 先生が耳元でささやいた。恥ずかしくて目を背けた。

 ブラウスのボタンをゆっくりとはずされていく。あたしは顔を歪めてイヤイヤをして抵抗した。

 ボタンをぜんぶはずされてしまうと、次はブラのホックをはずされて、カップを上にずらされた。先生がおっぱいをこねまわしてくる。

「ひやらッ、はうはひーッ」

 猿ぐつわのせいでうまくしゃべれない。

「嫌がっても無駄だ。いつもキスだけでお預けだが、きょうはここで美星を犯すことに決めている。フフフ、早朝とはいえ、そろそろ登校してくる生徒も増えてくる頃だろう。美星のこんな姿を見たら、みんなどう思うかな? あまり大きな声を出すと、誰かが入ってこないとも限らないぞ」

 先生がいじわるを言いながら、あたしのパンツの股間をなでた。きょうの下着はパステルイエローで、パンツは紐パンだ。先生はじらすようにゆっくりと片方の紐をほどいた。愛液で濡れたアソコがあらわになった。

 キスをされながら、乳首とアソコをいじられる。

 誘拐されて縛られて、なすすべもなく犯されてしまう女の子。あたしにとってのロマンチックシチュエーションのひとつだ。現実に拉致されて監禁されて強姦された経験が何度もあるのに、こんなシチュで興奮するのは不思議だけど。

 あたしにはレイプ願望があって、藤堂先生はそれをかなえてくれるんだ。

 先生のアレがあたしの中に入ってきた。もうフィニッシュか。先生は早漏なのでホテルではバイブレーターを使うことがあるけど、学校に持ってくるのはどうかと思うしね。先生が満足してくれるならいいけど。

 首筋にキスされ、乳首を舐められ、どんどん高まっていく。

 学校にいるあいだは恋人同士――。

 先生とはそういう契約をしてる。担任の先生と秘密の恋愛。あたし自身は教師なんてロクでもない人種だと思ってるけど、藤堂先生は別だ。あたしたちは援助交際を通じてお互いの性的願望を満足させ合ってる。だけど、それだけじゃない。あたしは藤堂先生のことが好きだ。現文の授業中でも胸が苦しくなることがある。援助交際の疑似恋愛を楽しんでいるだけだとわかっていても、学校にいるあいだは先生とはずっと援交してることになるから、本当の恋愛と区別がつかなくなってるのかもしれない。

 もちろんこれが本当の恋愛感情じゃないのは承知してる。あたしが藤堂先生に惹かれるのは、お父さんが欲しいからなんだと思う。あたしは先生を父親がわりにしているんだと思う。

 あたしは両手を縛られてお父さんに強姦されていた。

 生まれてきたことをお父さんに許してほしい、またお父さんに抱いてほしい。

 そんな気持ちが藤堂先生への思慕となって現れているんだ。

 先生には奥さんと子供がいて、家庭はうまくいってる。あたしとのことはあくまで遊びだし、恋愛感情なんてないはずだ。せいぜい手のかかる生徒くらいにしか思ってないだろう。あたしもそれでいいんだけど、先生のことをどんどん好きになっちゃう。この気持ちは抑えないといけないな。

 だけど、きょうの先生はいつになく気持ちいい。体が熱くなって、ふわふわして、さっきから何度もイッてる。いつもだったらもうとっくに射精してるのに、いつまでも奥を押してくる。先生は全裸になってるけど、縛られてるからなかなか肌が触れ合えない。

 すると繋がったまま先生がロープを解いてあたしを自由にしてくれた。あたしは先生に抱きついて乳房を押し付けた。自分で猿ぐつわをはずしてキス。抱き合って、対面座位で腰を動かした。

 十分ほどして、アソコの中で先生がビクンビクンと脈打った。あたしも先生にしがみついて、全身に満ちていく快感に心を委ねた。

 やがて深い吐息とともに、

「いままでで一番よかった。先生、大好き」

 そうささやくと、先生もあたしを自分の娘のように抱きしめてくれた。

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