人妻セーラー服2 (03)

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 女子のパンツをナマで見たのは初めての政宗くん。心臓を鷲掴みにされたような気がして、思わず目をそらした。

 そのあと、恐る恐る店内に視線を走らせた。秋の暮の山寺のように静まり返っている。マスターはカウンターの奥に座って居眠りでもしているようだ。くるみは両手で頬杖をついて、物思いにふけっている。視線は壁の方にぼんやりと向けられていて、政宗くんがパンツを見てしまったことに気づいてはいない。

 政宗くんはホッとするのと同時に自己嫌悪を感じた。今週末にはインターハイの県予選がある。本来なら道場で練習に励んでいなくてはいけないのだ。

(くるみさんのことは街で見かけただけで何も知らない。接点などあるはずもない。とっとと忘れるべきなのだ。だが、あの人の姿が脳裏に焼き付いて離れない。だからと言って話しかけることもできない。だいたい、自分なんかが唐突に声をかけたりしたら悲鳴を上げて逃げられてしまうかもしれない。意気地のない自分が不甲斐ない)

 そんなふうに悩み苦しんでいる政宗くんの胸の内など知る由もないくるみ。

 ふたたびくるみの方に目を向けると、まるでその視線に反応したかのようにくるみがもぞもぞと動いた。その結果――。

(さっきよりパンツが見やすくなっている!)

 くるみは相変わらず壁の方を見ながら考え事をしている。なのに、下半身が政宗くんの方を向き、やや脚を開き気味にしているため、ミニスカートの奥まで丸見え。

 前回街で見かけたときは紺のミニスカートに白ソックスで、いかにも清楚な女子高生という感じだったけど、今回はチェックのミニスカにニーソなので、小悪魔的な可愛らしさに満ちている。

 政宗くんは股間のモノが硬くなったことに恥じ入った。

 でも、くるみのパンツから目を離せない。

 ずっと見つめていると、くるみが体を起こして視線をテーブルに戻したので、政宗くんはあわてて顔をそむけた。でも、横目でくるみの様子をうかがいつづける。

 くるみはコーヒーを一口飲むと、気だるそうに脚を組んだ。

 パンツは見えなくなってしまったけど、かわりにスカートがめくれて太ももが露出した。龍星高校では許されないほど短いスカートのせいで、脚の付け根あたりまでが見えてしまっていた。

 あの太ももに触りたい……!

 すべすべした脚を撫で回したい!

 そんな衝動が湧き上がってくる。

(くるみさんッ、見えています、見えていますッ)

 くるみがスカートを押さえてくれれば、自分はこんなに苦しまなくて済むのに、と政宗くんは祈った。

 くるみはコーヒーをもう一口飲んでから、スコーンをかじった。

 スコーンのかけらがポロポロこぼれて、制服の上に転がった。

 くるみはセーラー服の上着を手で払った。

 それだけでは足りないのか、セーラー服の裾をつかんでパタパタさせた。

 その拍子に、くるみのお腹が見えてしまった。

 セーラー服の下には何も着ていない。白い柔肌がはっきり見えた。

 さらにくるみはミニスカートをパタパタさせて、スコーンのかけらを払った。

 当然ながら、

(うわぁぁっ、パンツがッ……、パンツがッ……!)

 パンツどころか腰のあたりまで丸見えになった。

(くるみさんッ、なんという無防備!)

 政宗くんはダウン寸前のボクサーみたいにフラフラだ。

 そのとき、くるみの手の動きが止まった。ミニスカートを両手で押さえている。

 パンツが見えなくなったので視線を上げると――。

 くるみと目が合ってしまった。

 凝固。

 息をすることも瞬きすることもできない。

 全身がムズムズして冷や汗が噴き出した。顔が熱くなって歯を食いしばった。ゴクリとつばを飲み込む。パンツを見ていたことに気づかれてしまったのだ。

 くるみがニッコリ微笑んだ。

「えっち」

 と、声を出さずに口の形だけで言われた。

 政宗くんは顔面蒼白になってうなだれた。県予選のトーナメントで一回戦敗退したとしても、これほどの絶望を味わうことはないだろう。

 やがてくるみが店を出ていくまで、政宗くんは己の愚かさを呪い続けた。

 普通の男子高校生ならここで心が折れてしまったかもしれない。だけど、さすが武道の上級者。胆力は人一倍だ。一度落ちた穴から必死に這い上がってきた。

(自分はまだ何も挑戦していないではないかッ)

 政宗くんは店を出ると、くるみの後を追った。

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