「はずかしいよ、あずきさぁん」
「大丈夫だよ、莉子ちゃん。莉子ちゃんのココ、すごくきれいだよ。毛が生えてないから、ピンク色の性器がよく見える。かわいい」
「いじわるぅ」
もうアソコはびしょびしょだ。
そこをあずきさんの舌が、つるんと舐め上げた。
「ひゃああぁぁぁんッ!」
あずきさんがわたしの股間に顔をうずめて、アソコを舐めてる。
ぺろぺろ、ちゅぱちゅぱ。
はずかしい、はずかしい、だけど感じちゃうぅ。
指先でクリトリスをいじられてる。
ぴくん、ぴくん。体がはねる。
いやぁん、舌を入れちゃダメェ。
高く上げた両脚がガクガク震える。
体中の血管が広がったような感じ。汗が噴き出した。
ぽかぽか、ふわふわ。
体の重さが消えていく。
ちょっとでも体を動かすと快感が爆発しそう。そんな危ういバランス。水をいっぱいまで注いだグラスみたい。すこしでも揺らされたら、きっと水がこぼれるようにイッてしまう。クリトリスとアソコの中、どっちが先にイク?
入れてほしい。でも、それはできない相談。
気持ちいい。すごく気持ちいいよ、あずきさん。
あずきさんのことも気持ちよくしてあげたいけど。
いまは無理だ。
ほんとはわたしじゃなくて、もなかさんがこんなふうに愛撫されてるはずだったのに。
はううっ!
突然、強い快感が全身を駆け抜けた。背中を反らせて、脚を突っ張った。シーツをつかんで、体中が硬直するのを耐えた。
力が抜けてベッドに落ちた。
クリトリスでイッたんだ。だけど、オナニーのときよりずっと気持ちいい。
余韻に浸るわたしを、あずきさんがぎゅっと抱きしめてくれた。ふたりとも肌が火照って熱い。しばらくそのままあずきさんの腕に包まれた。
「莉子ちゃんって感じやすいんだね。すごく可愛かったよ」
「ごめんなさい、わたしだけ楽しんじゃって」
「莉子ちゃんが気持ちよくなってくれれば、あたしも気持ちよくなれるんだ。オナニーはしてるけどセックスは久しぶりだったから、すごく濡れちゃったよ」
あずきさんが笑った。ほんとに満足してるみたい。それから真面目な顔になって、
「あたしさ、栄寿さんとセックスしてみようと思うんだ。もともとそのためにわたしはここにいるんだからね」
耳を疑った。レズビアンの人は男の人とのセックスは嫌なんじゃないの?
あずきさんは心配したわたしをなだめるように、
「昼間さ、もなかに告白したじゃない。あのとき言った言葉、ぜんぶ高校の卒業式で言ったのと同じセリフなんだ。二年前、もなかがOKしてくれたら、ここでの仕事は断ろうと思ってた。だけど、もなかはびっくりして返事もせずに逃げちゃってさ。でも、まさかここで再会するなんてね。驚いた、っていうか、すごくうれしかった」
「……」
「そのままズルズルと二年間が過ぎちゃったけど、もなかの返事ももらえたしね。ひとりくらい男の人とセックスしてみてもいいかな、なんて。別に嫌でたまらないことを我慢してしようというんじゃないよ。新型のバイブだと思えば。まあ、ちょっと怖いのは認めるけど。栄寿さんはいい人だし。その点はずっと一緒に暮らしてるからわかってる」
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