本当のあたしを見つけて欲しいと思っていても。
自分ではそれを恐れていたのかもしれない。
本当のあたしは弱くて、醜くて、汚い。ぜったいそうだ。
だから怖いんだ。
本当のあたしをわかってくれる人なんているわけない。
だから拓ちゃんの気持ちを拒むしかなかったんだ。
だけど、本当は。
本当のあたしを見せて、本当のあたしとして受け入れられたい。
でも、本当のあたしなんて。
あたしにもわからない。
「本当の沙希はセックス大好きなエロ女子高生なんだろ?」
「え?」
田辺さんの不意の言葉に思わず訊き返した。
「エロ女子高生」
と、田辺さんはからかうように微笑んで、
「イクときの沙希はすげーカワイイ。お前はセックスするのが大好きなんだろうな。だったら、もっといろんな快感を追求してみたくないか? 怖がらずに試してみろよ」
「学者さんらしい言葉だね」
田辺さんが言ってるのは、あたしが乱れるところを見たいって言葉のつづきだった。心を見透かされたのかと思ってドキッとしたよ。でも、すこし気が楽になった。
セックスについての悲しく辛い記憶が、あたしを縛ってる。
それなのに、たしかにあたしはセックスが好きだ。
恥知らずのヤリマンだということが、かえってあたしにとっての唯一の救いになってる。
だったら……。
あたしは膝を使って浅くピストン運動をはじめた。
すこし体をうしろに反らして、アレをGスポットに当たりやすくする。
アレの先端を使ってアソコの中の上壁を削り取るような要領で刺激。
腰を軽くよじって、感じるポイントを探す。
バイブやディルドを使うときと違って、自分の体の方を動かさなくちゃいけないから、勝手がわからない。
ここかな……?
硬い亀頭でゆっくりとGスポットをこする。
「あ……、あ……」
つかまえた。
一回目の正常位セックスで何度もイカされたあとだから、敏感。
すぐに快感、急上昇。
きゅっと口を結んで耐える。
そのまま、ズズズッ、と奥まで挿入。
また戻して浅いピストンを何度か繰り返したあと、ふたたび奥まで。
九浅一深という、うまい男の人がよくやるテクニックを真似してみた。
自分でするのは不思議な気分。
ベッドに膝をついた姿勢だと動きにくい。
ちょっと恥ずかしいけど、中腰になってみる。挿入された状態のまま、田辺さんの上にしゃがむ姿勢。両手は田辺さんの手を手綱のように握って、姿勢を崩さないようバランスを取った。
腰を上下に動かす。
そのたびに、ベッドのスプリングがキシッ、キシッと音を立てる。
田辺さんの様子を確認すると、あたしの股間を見つめてる。
結合部が丸見えになってることに気づいて、顔が熱くなった。
「恥ずかしいよ。そんなにじっと見ないで」
「いやらしい眺めだ。沙希はかわいいな」
あたしは腰の動きを止めると、ふたたび膝をついて背中を反らした。田辺さんからは自分のモノがあたしのアソコに入っているのがはっきり見えるはずだ。
すっごく恥ずかしい。
恥ずかしいけど――、見せつけちゃう。
全身が熱い。
「やっぱり沙希は見られると感じるんだな」
「ふにゅぅぅぅ……。見ちゃヤダぁ……」
膝を使ってゆっくりとアレを出し入れする。
ビクビクッと体が震えた。
逃げるようにうしろに倒れ込もうとするあたし。
田辺さんが手を引っ張って阻む。
体の奥に、キューン! という快感が広がった。
「あう……ッ! うぅ……ッ、……ッ」
[援交ダイアリー]
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