淫獄列車 (6)

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「お、お願い、それだけはやめて! は、初めてなの……」

春菜は全身を震わせながら、懇願した。

「ほかのことならがまんするから……」

けれど、それは受け入れられなかった。

春菜を捕らえている多くの手が、まるで一つの生き物のように動き、春菜を少し持ち上げた。春菜はつま先立ちにさせられた。

痴漢は位置をあわせるようなしぐさをすると、春菜の反応を見るように、動きを止めた。じらされて、春菜は慄いていた。

誰も助けてはくれないのだ。

決して許してはもらえないのだ。

春菜はうなだれて、すすり泣いた。

そして、挿入された。

太くて長いモノが、ゆっくり春菜の奥深くへとうがたれていくと、途中で狭くなっているところでつかえたが、ぐいっと押し込まれ、突破された。思っていたほど痛くはなかった。痛みはすぐに気にならなくなり、かわりに快感の奔流が春菜を襲った。一番奥まで届くと、身体の芯が熱くとろけそうになり、いやでたまらないはずなのに、その部分が勝手に蠢いて、肉棒をさらに咥えこもうとするのだ。

男の手が春菜の下腹部を押さえつけた。

「ふふふ、ちゃんと入っているのを感じるだろ?」

確かに、どこの誰ともわからぬ男が自分の中にいるのを実感した。ずっとがまんしていたのに、とうとう春菜は大粒の涙をぼろぼろとこぼし始めた。

(犯されてる。犯されたんだ、わたし。初体験だったのに……)

前にいた痴漢が、春菜の顎を掴んで上を向かせ、唇を奪った。ファーストキスが穢された。舌をねじ入れられ、唾液を流し込まれた。歯の裏を舐めまわされ、舌を吸い出された。男の唾液が春菜の唾液と混じりあい、春菜の口元から垂れると、春菜の涙と混じりあって、顎の先から滴った。

突き上げられるたび、春菜の小さな身体が浮き上がった。かろうじてつま先で立っていた春菜は、前にいる痴漢に体重をあずけるしかなかった。前にいる男の肩につかまり、支えられている。その事実が春菜の屈辱感を煽った。

春菜は歯を食いしばって、快感に耐えた。男たちから逃れることはできない。でも、感じて声を出すのは、男たちに屈服することだと思った。

身体の奥が熱い液で穢されるのを感じた。悲しくて、涙が止まらない。

背後の男がまだ硬さを保っているモノを引き抜くと、前にいた男が春菜の片膝を持ち上げ、怒張したモノで春菜を串刺しにした。

お尻の穴のまわりに、何かひんやりしたものを塗りつけられた。ぬるぬるした感触の指が、お尻の穴を押し広げるように入れられた。その後で、もっと太いものが侵入してきた。

(やだ、やだ、やだぁ!)

春菜は両膝を持ち上げられ、二人の痴漢に前後から挟まれ、前にいる男に抱きつく姿勢で、二つの穴を同時に犯されている。

ふたたび、熱いものが春菜の体内に注ぎ込まれた。男たちが出て行くと、アソコからもお尻の穴からも、どろどろした液が漏れ出して、床に滴り落ちた。

不意に、それまで感じていたのとはまったく別の種類の恐怖が湧き起こってきた。

妊娠。

背筋が凍りつく。一瞬、犯されていることも忘れた。この前の生理は十日くらい前だった。それで妊娠の危険がどれくらいあるのか、春菜にはわからなかった。そこまでの知識がなかったのだ。わからないということが、春菜の不安を増幅させた。

(どうしよう。もしも妊娠しちゃったら……、どうしよう)

でも、男たちは春菜を離しはしない。

春菜は上体を押さえつけられ、くの字型に身体を折り曲げさせられた。目の前に男のモノが差し出された。男はそれを春菜の顔に二、三度叩きつけた。そして、髪の毛を掴むと、唇に押しつけてきた。口を閉じて抵抗する春菜の腹を別の男が殴りつけた。たまらず開いた春菜の唇を割って、男根がねじ込まれた。酷い臭いだ。太くて、亀頭の部分を咥えるのが精一杯だった。だが、男は構わず、奥へと押し込んだ。苦しげにうめく春菜の口で、ピストン運動を始める。

背後から別の男が春菜を犯す。全身を無数の手で押さえつけられていて、身体を揺する程度の動きしかできなかった。

「たっぷり出してやるからな。ちゃんと全部飲めよ」

男が春菜の口内に射精した。勢いよく放たれた液が春菜の喉の奥まで飛び散った。春菜は飲み込めなかった。苦い味が口の中に広がる。男は春菜の頭を押さえつけていたが、春菜が抵抗しているのを見ると、肉棒を引き抜き、春菜の口と鼻を押さえて立たせた。そのまま上を向かせる。ゴクリ。春菜は半分ほどを嚥下すると、むせかえった。男が手を緩めると、口と鼻から精液が飛び出した。春菜は身体を折り曲げて、激しく咳き込んだ。

「おい、なにやってんだ! 全部飲めと言ったろう!」

男が春菜の髪を掴んで、乱暴に立たせると、怒鳴りつけた。春菜は恐ろしくて身を縮めた。男が春菜の乳房にハサミを押し当てた。

「おしおきだな。乳首をちょん切ってやる!」

「ひぃぃぃっ! やめてやめて、次はちゃんと飲むからっ。助けて」

「ほんとに今度は全部飲むか?」

春菜は必死にうなずいた。

「よし、じゃあ、やってみろ。うまくやらないと、乳首を切り取るぞ」

春菜は悔し涙を流した。ちゃんと飲むから。そう言ってしまった自分に怒りを感じた。でも、やるしかない。やるしかないじゃないか!

身を屈めた春菜の前に、別の男が肉棒を差し出した。吐きそうになるのをこらえながら、目を閉じると、亀頭の部分に唇をつけた。そのまま先へ進めずにいると、男がハサミで小突いた。顎の筋肉が必死に抵抗するのを、自分に鞭打って、少しずつ口を開く。ゆっくりと男のモノを口の中に含んでいった。

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