「どんなふうにしてほしい? きょうは沙希のしてほしいようにしてあげる」
あたしはちょっと照れながら、
「体じゅうをぺろぺろされたい。前戯にはたっぷり時間をかけてほしいです。前戯だけで何回もイカされるのが好き」
「それから?」
「いちばん好きな体位は正常位、次が対面座位かな。後背位は気持ちいいけど、あんまり好きじゃないんだ。挿入された状態でやさしく抱きしめられてキスされたいから」
「沙希が感じるのはどこ?」
「それは自分で見つけてよ、イケメンさん」
田辺さんが微笑んだ。
「そうだな。沙希がまだ知らない場所まで、ぜんぶ見つけてあげるよ」
またキスをした。
「ふりでいいので……、いまだけ恋人になってください」
「ああ。大好きだよ、沙希。愛してる」
「田辺さん……」
ディープキス。
胸の奥が熱くなる。
ほんとの恋人じゃないけど……。
ふりだけだって、わかってるけど……。
やっぱり愛されたい。愛したい。両想いになりたい。
「かわいい。すごくきれいだ、沙希」
ささやかれながら、耳たぶをなめられた。
すごく感じちゃう。
キスが首筋から、肩へと移っていく。
「あん……、はう……」
脇の下をなめられた。
「ひゃあぁうぅっ」
びっくり。そんなところをなめられるなんて。でもでも、気持ちよすぎる。
触れるか触れないかの軽いタッチで、おなかや太ももを撫でられた。
どんどん快感が高まっていく。
体を横向きにさせられ、脇の下から脇腹にかけて舌で愛撫された。
ときどき、体がビクッと反応してしまう。
背骨に沿って背中をなめられた。
感じすぎて腹ばいになると、お尻をもみもみされた。
愛液があふれてシーツがべとべと。水道の蛇口が壊れたみたいに止まらない。
「うう……、気持ちいい……」
いつしか愛撫は下半身に移ってる。
足の指をていねいになめられた。指をなめられるのがこんなに気持ちいいなんて知らなかった。全身すみずみまで洗っておいてよかった。
だんだん頭がぼーっとしてきた。何度か軽くイッたけど、乳首とアソコはまだ触れられていない。焦らされてるんだ。
がまんできない、早く欲しい、そう思っても、なかなかしてくれない。
ふたたび仰向けにされ、とうとうクンニリングスしてくれたときには、快感がせきを切ったようにあふれて、思わず大声をあげてしまった。
ビクンッビクンッと震えた。背中を大きくのけぞらせた。シーツをつかんで体が硬直するほどの快感に耐えた。
何度もイッた。
もう下半身に力が入らない。腰が抜けたみたい。
田辺さんが上に戻ってきてキスしてくれた。
しがみつくように抱きついて、キスをむさぼった。
互いに見つめ合って、微笑んだ。いよいよだね。しようよ。気持ちよくなってネ。
抱きあったままキス。
ゆっくりと田辺さんが中に入ってくる。
あたしの様子を確かめるように、ときどき動きを止めながら。
すこしずつすこしずつ奥へ奥へと入ってくる。
いちばん奥まで――。いま届いたよ。ひとつになったよ。
抱きあったまま、体全体をこすり合わせるような愛撫。
肌と肌が触れ合う感覚が愛しい。
すごく気持ちいい。溶けちゃう。飛んじゃう。落ちちゃう。
光につつまれた。
セックスってやっぱりステキ。
終わったあと、田辺さんの腕に抱かれて、すこし眠った。やさしく髪を撫でてくれたことがうれしくて、ちょっぴり泣いちゃった。恋人同士って、きっとこんな感じなんだろうな。
[援交ダイアリー]
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