第1話 あこがれのロストバージン (01)

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中学の制服ともこれでお別れかと思うと、ちょっぴり感傷的な気持ちが胸の奥をつっついた。

姿見の前に立ち、紺のイートンブレザーとジャンパースカートを脱いだ。ブラウスとソックスも脱ぐ。鏡に映ったわたしは、まだまだ幼さが拭えない。

やっぱり下着も替えよう。

スリップにブラジャー、綿パンも脱ぎ捨てる。

短い三つ編みをほどいて、髪をたらしてみた。すこしは大人っぽく見えるかな。

きょう、わたしは中学校を卒業した。誕生日が三月二十七日だから、まだ十四歳だ。

でも、あと一ヶ月もすると高校の入学式。

高校生になったら、地味で引っ込み思案だったわたしにはサヨナラだ。

そして……。

「いろんな人と、いっぱいセックスするんだ」

決意を表明するために声に出してみたけど、それだけですごくドキドキした。

わたしは改めて鏡の中の裸身を見た。

くりくりとした大きな目のおかげで、同い年の女の子と比べても幼く見えた。胸はBカップでちょっぴり気にしてる。ウエストのくびれも足りない。アソコの毛もほとんど生えてないから、よけい子供っぽく見える。

後ろを向いて背中を映してみた。つやつやしてきれいな背中だ。お尻はぷるんとして、ちょっと大きいかも。すらっと伸びた長い脚は魅力的だと思う。

また前を向いて、小ぶりな乳房を両手でつかんだ。高校を卒業するまでにはDカップくらいになっているはずだ。なぜって、ママがそうだから。ママは四十歳なのに、二十代で通るほど若々しくて、美人で、それにグラマーなんだ。ママみたいな美人になりたい。

だけど、高校卒業なんて永遠の彼方のように思える。

わたしはウォークインクローゼットに入ると、高校の真新しい春服と新しい下着を取り出した。

パステルイエローのパンツに脚を通す。前面の中央部分がレースになって透けている。高校入学に備えて、ちょっとオトナっぽい下着をいくつか買ったんだ。ナイロンのすべすべした感触がいつもの綿パンと違う。

つづけてブラジャーを着けた。ワイヤーの入っているやつだ。脇のお肉を集めてカップにしまい込む。

ハンガーから薄いピンク色の制服をはずして、まずワンピースを着た。深いプリーツになっているスカート部分は丈が短くて、太ももがあらわになってしまう。

「うわぁ、これはなかなか恥ずかしいな」

白のハイソックスを履いて、セーラーボレロの上着を着た。白の三角タイをタイ留めに通す。ちょっと長いなと思って、三角タイを一度はずし、短くなるように折ってからもう一度着けた。今度はいい感じだ。

姿見の前で何度もポーズを取って着こなしを確かめた。くるっと回ってみる。短いスカートがふわっと広がって、お尻が見えそうだ。このワンピースはちょっとミニすぎるんじゃないかな。

高校生のわたし。なんだか生まれ変わったような気がした。

髪の毛を両手で左右に束ねて持ち上げてみた。いまは肩にかかる程度のミディアムだけど、高校に入ったらうんと伸ばすつもりだ。ロングのほうがいろいろアレンジできていいもんね。

中学ではおさげにしてた。髪をつかんでいる位置をすこし上にずらしてツーテールにしてみる。

元気いっぱいの印象だけど、これだとちょっと幼すぎかも。

親指と人差し指以外の指を広げ、後ろの髪を下にたらしてツーサイドアップに。清楚な中に活発さも感じさせる。

これに決めた。

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[第1話 あこがれのロストバージン]

[AGGRESSIVE HEART]

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