車内セクハラ事件 (03)

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「ほら見ろ、やっぱり彩風雪奈さんじゃないですか」

と、ギョロ目さんが勝ち誇ったように言った。

小太りさんはムッとしつつもそれを無視して、

「俺は『パイパンロリータ三人娘』で大ファンになったんだよ。雪奈ちゃんのコスチュームがすごく似合ってて可愛かった。最後のレズ3Pから男優乱入でイカされまくる雪奈ちゃんの表情がたまらなかったよ。雪奈ちゃんて清楚なイメージなのに過激なエロもこなすよね。あえぎ声も可愛いし」

と、いきなりタメ口で雪奈ちゃんと呼ばれてしまった。

「最近出た『従順ご奉仕メイド 雪奈のおしっこ見てください』も気に入ってるよ。おしっこシーンで顔真っ赤にして恥ずかしがる雪奈ちゃんサイコー」

そう言われたわたしはたぶん顔を真っ赤にしてたと思うよ。新幹線の中で見も知らぬ男性から、あなたが放尿するとこ見ました可愛かったです、なんて言われるとは。

「あ、その……、いっぱい見てくれてありがとうございます」

ほかになんて言えばいいのさ。

するとこんどはギョロ目さんが口をはさんだ。

「おいおい、お若い方。彩風雪奈さんの魅力はやはり女子校生陵辱モノですよ。初期の『ロリータSM セーラー服監禁調教 もっとキツく縛って』から最近の『輪姦された女子校生 純真無垢な天使に連続強制中出し』まで、少女レイプの魅力に溢れてるじゃないですか」

このおじさんアブナイです。ぜったいアブナイよ。

レイプものはいまでも苦手なんだ。ファンタジーだってわかってるけど、簡単に割り切れないところもある。マネージャーさんはわたしの苦しい気持ちを察してくれてるみたいで気を使ってくれるし、だから「勇気を持ってチャレンジしていくことで未来は開けるんだよ」って説得されたとき、それを信じたんだけどさ。

この人いまぜったい、わたしのことを犯してみたいって考えてるよ。

「わたしとしては彩風雪奈さんは早くアナル解禁すべきだと思いますよ。ひとりのファンとして、あなたのアナルレイプ、二穴サンドイッチ、それにローション浣腸プレイなんかを見たいですね」

「おっさん、雪奈ちゃんを汚すような発言やめろよな」

オファーはあるけどアナルはぜったいNGですぅ。もう泣きそうだよ。

そう思いながらふとギョロ目さんを見ると、アイスクリームのスプーンを手に持ってぺろぺろなめていた。アイスなんてとっくに食べ終わったのに、子供みたいな真似して――。

じゃなくて、それ、わたしが使ってたスプーンじゃんかー!

「ちょっと、やめてください!」

「いいじゃないですか。なにもわたしが使ったスプーンをなめろと言っているわけじゃないんですよ。間接キスするのはわたしだけなんですから。ふっふっふっ、彩風雪奈の唾液の味がします。おいしいですよ、バニラ味ですね」

それはアイスの味だ、バカタレが!

「雪奈ちゃん、そんな気違いオヤジほっといて、これ見てよ」

と、小太りさんがパソコンの画面をわたしに見せた。フォルダの一覧が表示されてて、それぞれに女優さんの名前が付けられてる。単体さんの名前が多いけど、知らない名前もかなりある。その中に『彩風雪奈』の名前もあった。小太りさんがその名前をクリックすると、AVIファイルの一覧が表示された。

「雪奈ちゃんの出演作はほとんど持ってるんだ。ほら、最新作の『女子校生おさな妻 終わりなきレイプ地獄』もね」

と言って、その動画ファイルを再生させた。小太りさんはカーソルを操作して絡みのシーンまでスキップさせた。

ボリュームを絞ってあるらしく、音声はかすかにしか聞こえない。

ブレザーの制服を着た女子高生――つまり、わたし――が、ふたりの男子生徒――の役の男優さん――に襲われてるシーンだった。

どーゆー神経してるんだ、この男は。

女の子がレイプされてるビデオを本人に見せつけるとか、ありえねーだろ。

「いやー、このシーンで何度も抜いたよ。ほら、この表情、すごくリアルだよね」

「うむ、わたしもこのシーンは抜きどころだな」

と、ギョロ目さんがパソコンの画面を覗きこみながら言った。肘掛けをあげたままなので、体が触れ合ってる。

わたしがギョロ目さんを避けるように小太りさんの方に寄ったので、小太りさんがうれしそうにわたしとの間にある肘掛けをあげた。

(ちょっとちょっと、やめてったらーッ)

ふたりともさりげない風を装って体を接触させてきた。野獣の檻の中に入れられた気分だよ。きっと匂いを嗅がれてるよ。怖いよぉ。

「俺はね、雪奈ちゃんのファンだけど、雪奈ちゃんには早く引退してほしいよ」

小太りさんがそう言いながら別の動画ファイルを再生させた。

わたしと男優さんが全裸で絡んでいるシーンだった。結合部分がアップになってる。無修正のやつで、わたしのアソコに男優さんのアレが挿入されているのがはっきりくっきり写ってた。

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