「そうよ。知ってるのは、ママと久遠ちゃん、それにパパだけ。とりあえず、それ以外の人には内緒にすることにしたの。ママは結婚するつもりはなかったしね。みんなで相談して、莉子が十六歳になったら教えるつもりだった。栄寿さんには二十歳になったら話そうと思ってたわ。でも、栄寿さんは別の問題が起きてしまったから、話すのはもう少し待つことにしたの」
ママが心配そうに見つめている。わたしは肩をすくめてみせた。
「あんまりショックって感じはないわ。お父さんを紹介されるのは三回目だしね。正直に話してくれて、ありがと」
わたしの本当の父親はパパだけだ。ずっとそう思ってきたし、いまだってそう思ってる。夏目おじさんが生物学上の父親だと聞かされたときには、「ふーん、そうなんだ」としか思わなかった。
でも、なんだかモヤモヤする。
なんなんだろ、この気持ち。
栄寿さんに会いたいな。
ギュッとされて、チュッってされたい。
「ねえ、ママ。きょう、わたしも栄寿さんとセックスしたわ」
ママは優しく微笑んで、わたしを抱き寄せた。
「初体験、おめでとう、莉子」
「ありがとう、ママ。それでね、お願いがあるんだけど。しばらく、栄寿さんの家で暮らしてみたいんだ」
高校の入学式までは、まだ時間がある。もっと栄寿さんと過ごす時間が欲しい。
栄寿さんは大学で講師の仕事をしているけど、いまは春休みだからほとんど家にいるって言ってたし。
セックスのことをもっと知りたい。それに、わたしとのセックスは栄寿さんを助けることにもつながるはずだ。栄寿さんを助けることは、もなかさんとあずきさんを助けることでもある。
ママはわたしの目をじっと見つめた。それから笑顔になって、
「いいわ。栄寿さんにはママから話しておく。お誕生日パーティーは栄寿さんの家ですることにしましょう」
わたしはママに抱きついた。
何も言わなくても、ママはわたし以上にわたしの気持ちをわかってくれる。カンペキじゃないけど、わたしの憧れの人。ママみたいな大人になりたい。
「ねえ、ママのおっぱい、欲しい」
「甘えんぼさんね」
わたしはママの膝の上に座ると、きれいな形のママの乳房に手を添えて、桜色の乳首を口に含んだ。ママが両手であやすように支えてくれた。
ときどき、こんなふうにママのおっぱいをねだるんだ。ママはいつも思いっきり甘えさせてくれる。
きめの細かい肌をお湯がしたたっていた。ママってほんとに若々しく見えるな。姉妹みたいだと言われたことはないけど、それはたぶん、わたしが子供っぽく見えるせいだろう。ママが制服を着れば高校生だと言っても通用するはずだ。
上目使いにママの笑顔を見つめながら、ちゅうちゅうと吸った。ママの乳首が硬くなっていくのを舌先で感じる。もちろん母乳が出るわけじゃないけど、もし出るんだったらママのおっぱい飲みたいな。
膝を曲げて、胎児のように体を丸くした。赤ちゃんのようにママの腕に抱かれた。気分が安らぐ。そのまま目を閉じた。ずっとこうしていたい。
でも、わたしももう高校生。初体験だって済ませた。ママのおっぱいもそろそろ卒業しなくちゃね。
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