使徒3:1-10

イエスキリストの名によって

エルサレム神殿(模型) 手前の金色の扉が、入り口(美しの門)です。【googleの画像より】

  美しの門とは、神殿の東門(正門)です。エルサレム第二神殿は、ヘロデ大王が造営。ローマによってエルサレムが陥落したとき(AD70年)に、破壊され、現在はイスラム教の黄金のドームが建っています。美しの門の外側は、広大な異邦人の庭で誰でも入れますが、美しの門はイスラエルの民しか入れませんでした。門を入ると婦人の庭、さらにニカノルの門を通るとイスラエルの男性しか入れない庭があります。美しの門から入る婦人の庭は、婦人だけではなく、男性も不浄の者(例えば思い皮膚病の者)も入れました。物乞いをするのであれば、門のところが適しているのでしょう。ここに、毎日 生まれながら足の不自由な人が物乞いをするために連れてこられていました。

 三時のお祈りのために神殿に上ったペトロとヨハネは、この人から物乞いされます。この光景は、エルサレムの第二神殿としては、日常のことでしょう。もちん、ペトロとヨハネはお金などは持っていないはずです。彼らは、集団生活を始めて、皆で持ちものを売っては食べ物を分け合っていたわけですから、どんなに哀れに思っても、お金を渡すことは出来なかったものと思われます。

.何かもらえる?

 美しの門にいて、物乞いをしている人にとって、足を止めて自分を見てくれる人に、「何かもらえる」との期待を持つのは当然でしょう。しかし、その男をじっと見たペトロは、お金ではないものを与えることを考えています。当たり前の日常の光景以外のことを、その男は予想だにしなかったでしょう。

.イエスの名によって

「ナザレの人イエス・キリストの名によって立ち上がり、歩きなさい。」

ペトロは、ここで失敗を顧みずにしるしを示します。イエス様の名によって、聖霊が働かれたのです。