創世記7:1-24

箱舟生活


参考:数字に関して、3・4・7・12・24などを多く聖書は用いています。そのいずれも3と4から構成されます。

3:「神の数」父・御子・聖霊の三位一体や3日後の復活をあらわします。

4:「人に関する数4」、「試みを表す数4、40」

7:3+4「人と神の関係」を表します。

12:3×4「同上」 


1.つがいの数

 一つがいづつ、箱舟に載せる予定でしたが、神様はここで清い動物と空の鳥については7つがいに変更します。7とは、神(3)+人(4)で完全数です。神と人が一体となって、この箱舟で生き物を生き延びさせるとの意思の表れです。そしてその試練の期間は、40日。40日間神様は雨を降らせると宣言しました。

起こした洪水によって、他の生き物は地の面から拭い去られようとしています。


2.ノアは600歳

 とても寿命としてあり得ないと思われます。年の数え方が違うのか、伝説の伝承のなかで、盛られていった可能性があります。一方で、歴史家ヨセフスは、本当に長生きをしたと彼の著作の中で持論を宣べています。歴史的裏付けが取れるのは、ダビデ王あたりからですから、それ以前の長寿については、それこそ「神話」(根拠はないので、事実としては認めない:どういうわけかこの作業を非神話化と呼びます。)であります。聖書記者は、根拠なく年を書き換えるはずはありませんから、何らかの根拠はあったはずです。しかし、検証ができない以上、信じるか疑うか二択であります。一般論として、年の数え方が違うというのは、有り得ますし、歴史の書き換えと言うのは、為政者によって意図的に行われることでもあります。


年の数え方:卑弥呼のころ、倭人は「年の数え方を知らない」との記事があります。春に田植えをすると1

      つ年を取り、秋に収穫すると一つ年を取っていたそうです。また、洪水があると一つ年を取る

      との仮説を立てた人もいます。


歴史の書換:日本では、日本書紀によって、初代の神武天皇の年代を古く見せました。1つは、エピソード

      が酷似したいわゆるコピー天皇です。これは、存在しない架空の天皇を挿入するわけですので、

      確実に古い王朝と糊塗することが出来ます。そして、歴代の死亡年齢を加えました。そのため、

      古い時代の歴代天皇は極めて長寿となります。


3.箱舟に入る

 洪水が起こったとき、ノア、ノアの家族、動物も鳥も、地を這うものもすべてつがいで箱舟に入ります。

神様の「箱舟に入りなさい」との指示から7日後、雨が降り出し四十日降り続け第二の月の17日(逆算すると神様の指示が第一の月の一日になります)に箱舟に入ったわけです。


4.洪水

 洪水は試練の時です。四十日間も続きました。そして、高い山まで水で覆われました。山頂より7mも水嵩が上がります。水がたまっているならば、その周囲は何らかの水が止まる壁となる物があって、それは水面より出ているか、滝を作っているはずなのです。また、地球規模で海水面がそれだけ上がったとしたら、その恐ろしく大量の水はどこから来たのか不思議です。ここは、神話なのかもしれませんが、天地を創造した神様ならできたのかもしれません。

 洪水が四十日。これは、水かさが上がって来ている期間を示したものでしょう。そして百五十日間、水は勢いを失わなかったとあります。ですから、洪水が始まったのが47日目、水が増えなくなったのが87日目、197日目に水が引き出したと言うことになります。そして第七の月の17日に箱舟は山の上に泊まります。山の上に止まったので、水が引き出したのがわかったのが197日目なわけです。

 その間に、箱舟にのらなかったすべての動物、鳥、地を這うものは、死に絶えます。そして、箱舟に乗った動物、鳥、地を這うものは生き残りました。


 滅ぼされた人間は、一夫多妻制をはびこらせました。カインの子孫であるレメクが二人の妻をめとったのが聖書にある最初の一夫多妻です。たぶん、その一夫多妻制が、広がっていたものと思われます。洪水の結果、ノアの家族だけが残るわけですから、一夫多妻制が滅ぼされたわけです。箱舟に乗った動物は、すべてつがいでした。神様は、箱舟と洪水によって、この世を一夫一婦制に(あるべき姿に)戻したとも言えます。