使徒13:13-52

ピシディア州 にて

 

  

1.ピシディア州のアンティオキア教会

 先週の地図の通り、もうひとつのアンティオキアがあります。パウロは、『イスラエルの人たち、ならびに神を畏れる方々』と会衆に呼びかけています。ですから、シナゴーグに集まっている人には、ユダヤ人とそうでない人がいるわけです。ユダヤ人とは、伝統的に人種をさす言葉ではなく、ユダヤ教徒であり、ユダヤ人の習慣を守る人々のことを指します。異邦人の場合、改宗者とも呼びます。そして、神を畏れる方々(人々、者)、主を畏れる者とは、ユダヤ人と一緒に神を礼拝している人々のことを指します。ですから、改宗まではしていないけれども、神様を信じている人々です。そして、ここは異邦人の地ですから、たぶん神を畏れる方々のほとんどは異邦人だと思われます。

 パウロたちは、安息日の礼拝のためにシナゴーグで席に着きました。すると、会堂長たちがパウロたちに、励ましの言葉をお願いします。パウロは、自ら立ってお話を始めます。それは、このピシディア州で、初めて語られるイエス様の福音であります。

 

2.パウロの語る主の言葉

  パウロは、出エジプトの出来事、そしてカナンの地に民族が入った事、そしてダビデの子孫から救い主が生まれるとのイスラエルの民の伝承された預言について話します。そして、バプテスマのヨハネが悔い改めのバプテスマを施しました。ヨハネは、自身は救い主ではないと、この様に言っています。

『わたしを何者だと思っているのか。わたしは、あなたたちが期待しているような者ではない。その方はわたしの後から来られるが、わたしはその足の履物をお脱がせする値打ちもない。』

そして、その救い主はイエス様であると断言しました。

この後、パウロはイエス様に起こった事を語りだします。

『13:27 エルサレムに住む人々やその指導者たちは、イエスを認めず、また、安息日ごとに読まれる預言者の言葉を理解せず、イエスを罪に定めることによって、その言葉を実現させたのです。』

イエス様は、何ら罪が無いのにこうして十字架に掛けられました。そして、墓に葬られましたが、神様はイエス様をよみがえらせたのです。そして、復活のイエス様に直接会った人々がその復活の証人です。

 パウロは、このイエス様の出来事が、すでに予告されていたことを詩編から説明します。

 

詩編『2:7 主の定められたところに従ってわたしは述べよう。主はわたしに告げられた。「お前はわたしの子/今日、わたしはお前を生んだ。』

詩編『16:10 あなたはわたしの魂を陰府に渡すことなく/あなたの慈しみに生きる者に墓穴を見させず』

 救い主イエス様が神の子であること。そしてダビデの時代に神様はダビデの末に救い主が生まれることを約束されていました。そして、その救い主は、陰府に渡ることは無くて墓を見ることも無いこと、永遠の命を持っておられることが示されていたのです。そして、その預言されていた方こそイエスさまであり、イエス様を信じる者は、義とされるのです。