マタイ23:37-24:14
終末の徴
1.エルサレムのために嘆く
イエス様は、エルサレムのことを嘆きます。そして詩編を引用しました。
詩編118:26 『祝福あれ、主の御名によって来る人に。わたしたちは主の家からあなたたちを祝福する。』
この詩編は「イエス様に祝福あれ」とエルサレムの民が言うときまでは、エルサレムの民は、神様を見ることがないことを意味しています。
預言者を殺したエルサレム、そして神様が預言者をかばおうとしたにもかかわらず、それをさせなかったエルサレム。ならば、イエス様を受け入れるまでは、神は顧みられません。
つまり、エルサレムには苦難の時がやってくることをイエス様は教えられるのです。
2.神殿の崩壊を予告する
ヘロデ大王が建てた神殿が当時の神殿です。弟子たちが神殿を指さすのは、エルサレムの滅びを聞いたからでしょう。「先生、神殿はどうなるのですか?」という趣旨だと思います。また、神殿本体は境内にいる間は見えません。少なくとも婦人の広場から美しの門の外に出ないと、神殿本体の外側が見えてこないはずです。もちろん、神殿本体の内側も見えるようになっていません。
イエス様はそこでいわれました。『これらすべての物を見ないのか。はっきり言っておく。一つの石もここで崩されずに他の石の上に残ることはない。』
事実、ヘロデ大王の神殿は、紀元70年にローマ軍によって陥落しました。そして、再建どころではありません。今はイスラム教の黄金のドームが立っています。そして、そこがユダヤ教の神殿であったことを示す遺物は、何も残っていないのです。
イエス様が言われた神殿の崩壊は、再臨の時のことです。それは、次項のイエス様の答えでわかると思います。
3.終末のしるし
弟子たちは、イエス様に尋ねます。
『「おっしゃってください。そのことはいつ起こるのですか。また、あなたが来られて世の終わるときには、どんな徴があるのですか。」』
イエス様のこの答えで、ローマ軍による神殿崩壊のことではないことが読み取れます。
『戦争の騒ぎや戦争のうわさを聞くだろうが、慌てないように気をつけなさい。そういうことは起こるに決まっているが、まだ世の終わりではない。』
そして、しるしは、何でしょうか?
・民は民に、国は国に敵対して立ち上がり、方々に飢饉や地震が起こる。
・そのとき、あなたがたは苦しみを受け、殺される。
・わたしの名のために、あなたがたはあらゆる民に憎まれる。
・そのとき、多くの人がつまずき、互いに裏切り、憎み合うようになる。
・偽預言者も大勢現れ、多くの人を惑わす。
・不法がはびこるので、多くの人の愛が冷える。
その時とは? このことが行われた後です。
・福音はあらゆる民への証しとして、全世界に宣べ伝えられる。
この箇所からいたずらに多くを読み取ろうとするならば、それこそ「偽預言者」となってしまう危険があります。私たちに出来ることは、イエス様のみ言葉を延べ伝えることです。