2021年 9月 18日 ドイツバロックコンサート
『ドイツバロック挨拶』
聖書 ヨハネによる福音書 13:36-37
今日は、コロナ過の中でのコンサートなので、密にならないように、主催者の方には人数の制限や、換気に特に注意をしてもらっています。皆様にも、感染防止に注意を頂くよう、ご協力をお願いいたします。
今日は、ドイツバロック音楽のコンサートということで、17世紀から18世紀の器楽曲の演奏を楽しんでいただいていますが、その代表は何といってもヨハン・セバスチャン・バッハ1685- 1750年)でしょう。今日は、代表作ともいえるヨハネ受難曲からアリア「私も貴方についていきます」の演奏がありますので、この曲について解説したいと思います。テキストは、新約聖書のヨハネによる福音書です。そして、聖トーマス教会(ルター派の教会)の礼拝で使われましたので、当時の礼拝は相当に長かったと思われます。受難曲では、聖書のみ言葉を語る人と聖書の登場人物達が物語を歌い上げるわけですが、今日のアリアは、登場人物としてはペトロです。ペトロと言う人は、イエス様の12弟子のお兄さん株で初代のローマ法王になった人だと言われています。
聖書によりますと、イエス様はペトロの離反を予告しています。たとえどんなことがあってもイエス様についていこうと思っていたペトロですが、こんなやり取りがありました。
ヨハネ『13:36 シモン・ペトロがイエスに言った。「主よ、どこへ行かれるのですか。」イエスが答えられた。「わたしの行く所に、あなたは今ついて来ることはできないが、後でついて来ることになる。」
13:37 ペトロは言った。「主よ、なぜ今ついて行けないのですか。あなたのためなら命を捨てます。」』
イエス様が捕まって連れられていくとき、ペトロは、イエス様を追っていました。今日のアリアはこのペトロの心情を歌ったものです。
結果から言いますと、そのあと、ペトロは3度イエス様のことを知らないといって逃げてしまいます。イエス様が予告した通りでした。そして、ペトロは自分のふがいなさに泣くのでした。
ヨハネ受難曲は、弟子ユダの裏切りから、イエス様の埋葬までの物語です。決して、これは悲しい物語ではありません。この出来事によって、ペトロは強く立たされました。そしてイエス様の十字架の死によって私たちの罪を贖われたので、私たちは救いの恵みに与っているのです。
これからのひと時、バロック音楽をお楽しみください。