１．キリストは全世界の王
１節に『東方の学者たちがエルサレムにやって来て』とあります。ここで注目したいのは、イエス・キリストは、遠い国の人々からも慕われ、愛される全世界の王だということです。確かに、キリストは「ユダヤ人の王」としてお生まれになり、東方の学者たちも『ユダヤ人の王としてお生まれになった方はどこにおいでになりますか。』と尋ねています。しかし、キリストはユダヤ人だけの王ではなく、全世界のすべての人々の王としてお生まれになったのです。聖書は、ユダヤの人々だけでなく、全世界のすべての人々が神を求め、神に立ち返ることを預言しています。
クリスマスの劇では、東方の学者たちは、キリストを認めると、イエス様の前にうやうやしくひれ伏して、贈物をささげました。キリストは、この世の力ある者も、知恵ある者も、礼拝される お方です。ヘンデル「メサイア」のハレルヤコーラスに歌われているように、 "The Lord of Lords" "The King of Kings" 「王の王」「主の主」です。この場面を見るたびに、貧しい姿でお生まれになったキリストは、すべての者が愛し、慕う全世界の主であり、王であるという事実を思い起こします。
小さな国ユダヤのベツレヘムで生まれ、飼い葉桶に寝かせられた赤ん坊がユダヤの王であり、やがて世界の王となるということを、誰が信じられるでしょうか。しかし、遠い国からはるばる学者たちがやって来て、世界の主、世界の王であるイエス様を礼拝しました。学者たちは、そのことを知っていたのです。
２．キリストは預言の成就
次に『東方で見た星が彼らを先導し、ついに幼子のおられる所まで進んで行き、その上にとどまった。』 学者たちは、星を見て、ユダヤ人の王の誕生を知りました。学者たちは、ユダヤの人々や、聖書の専門家のような知識は持っていませんでした。ですから、ともかくもエルサレムまでやってきて、『ユダヤ人の王としてお生まれになった方はどこにおいでになりますか。』と尋ねたのです。エルサレムの学者たちは、聖書を調べ、それが「ベツレヘム」であることを教えました。学者たちは、星の光に導かれてエルサレムまでやってきましたが、エルサレムについてからは、星の光だけでなく、預言によって、イエス様のもとに導かれていきました。
『暗闇の中。試練に遭って、悩んだり、迷ったり、また落胆してしまうときがそうです。しかし、私たちには、みことばの光があります。「あなたのみことばは、私の足のともしび、私の道の光です。」』（詩篇119:105）
３．キリストは栄光の主
次に、注目したいのは、学者たちがささげた贈り物です。「黄金、乳香、没薬」は当時、最も高価なものでした。これらの高価な贈り物は、キリストの栄光を表わしています。イエスのおられたところは、おそらくベツレヘムの貧しい家の馬小屋だったと思われますが、学者たちは、外見の貧しさを見ても疑うことなく、イエス様の栄光を見て迷うことなく最高の贈り物をささげたのです。
学者たちがユダヤに着いてから、人々に場所を尋ねるわけですが、エルサレムの学者たちは聖書から、キリストが生まれるのはベツレヘムだと知っていました。ところが、エルサレムの人々は、誰ひとりベツレヘムに行かなかったのです。
遠い国から、わざわざ旅してきた学者たちのように、私たちも、私たちの人生の旅路において、イエス様を求めて歩く足、良いものをささげる手 を持ちたいものです。信仰の足、信仰の手を働かせて、全世界の王、栄光の主、イエス・キリストをこのクリスマスに、心からお迎えしましょう。