1.再訪の願い
『2:17 兄弟たち、わたしたちは、あなたがたからしばらく引き離されていたので、――顔を見ないというだけで、心が離れていたわけではないのですが――なおさら、あなたがたの顔を見たいと切に望みました。』
パウロはテサロニケの兄弟たちのことを思っているので、切に会いたいと願っています。この時は、サタンがパウロを妨げました。サタンとは、当時のキリスト教会の敵となった、ユダヤ人や学者たちのことを指します。パウロのテサロニケでの伝道を迫害した彼らは、パウロがテサロニケに入ることで、再び激しい迫害を繰り返すに違いがないからです。
パウロはイエス・キリストの再臨について話します。ここでは、主が再び来られるときに、テサロニケの人々が、パウロたちの喜びになると言っています。これは、自分たちが迫害の中で宣べ伝えた福音によって、テサロニケの人たちが信仰を持ち、愛と希望に満たされていたからです。パウロらは大変苦労しましたが、テサロニケの人たちのことを聞く度に、主が自分たちに報いてくださると慰められたのです。だから、パウロは、テサロニケの信徒たちが誇りだったのです。
2.気がかり
『3:1 そこで、もはや我慢できず、わたしたちだけがアテネに残ることにし、3:2 わたしたちの兄弟で、キリストの福音のために働く神の協力者テモテをそちらに派遣しました。それは、あなたがたを励まして、信仰を強め、3:3 このような苦難に遭っていても、だれ一人動揺することのないようにするためでした。』
ずっと、パウロ自身がテサロニケに行こうと思っていたのに、サタンが妨げました。それで、じっと我慢していたのでしょう。パウロが先にべレアからアテネに入り、それからシラスとテモテがやってきました。パウロは初めにテモテを、後でシラスもマケドニアに派遣します。テモテのことを、「私たちの兄弟で、キリストの福音のために働く神の協力者」と言っています。その、いつもいてほしい協力者であるテモテが離れることになります。かなりの犠牲ですが、そうしてでもテサロニケの人たちを助けたかったのです。
テモテを派遣した目的は、「様子を知る」ことにあります。そして、「励ます」ことが必要です。励ますとは、そばにいて助けることです。サタンは、キリストの愛から、テサロニケの人々を引き離そうとします。パウロは、テサロニケの人たちをとても案じたのです。そして、我慢できずに、テモテを遣わしました。 パウロたちは、テサロニケの人々の信仰に喜んでいたので、主の前で感謝するばかりでした。パウロたちは熱心に祈っています。彼らが主の前にに堅く立っていることは、とてつもなく喜ばしいことなのですが、もっと教えたいことがあったのに、引き離されてしまっています。教え切れていないことがありました。それを「信仰で必要なもの」と呼んでいます。
3.祈り
『3:11 どうか、わたしたちの父である神御自身とわたしたちの主イエスとが、わたしたちにそちらへ行く道を開いてくださいますように。』
パウロは、彼らに会って、それで指導ができるように祈ります。
『3:12 どうか、主があなたがたを、お互いの愛とすべての人への愛とで、豊かに満ちあふれさせてくださいますように、わたしたちがあなたがたを愛しているように。』
二つ目の祈りは、愛についてです。彼らの愛が豊かにされて、あふれてくるように祈っています。今の状態で満足してはいけません。主は、愛を私たちに注ぎたいと願っています。その愛ですが、「お互いの愛とすべての人への愛」です。イエス様が、わたしが愛したように、あなた方も互いに愛し合いなさいと言われたように、愛は一方向ではいけないのです。
三つ目の祈りは、再臨についてです。パウロは、特にこの手紙で章ごとに再臨について触れています。