エゼキエル書8:1-18

主の聖所を背にして 

  

神殿:ソロモンの建てたエルサレムの神殿です。本来偶像や他の神々を置く場所ではありません。しかし、聖書の記事をみると、神殿の中には偶像がたくさん置かれ、礼拝されていました。これが現実なのです。

王下『23:23 ヨシヤ王の治世第十八年に、エルサレムでこの主の過越祭が祝われた。23:24 ヨシヤはまた口寄せ、霊媒、テラフィム、偶像、ユダの地とエルサレムに見られる憎むべきものを一掃した。こうして彼は祭司ヒルキヤが主の神殿で見つけた書に記されている律法の言葉を実行した。』平行記事 代下34:33

シャファン:王下『22:3 ヨシヤ王の治世第十八年に、王はメシュラムの孫でアツァルヤの子である書記官シャファンを主の神殿に遣わして言った。』たびたびヨシヤ王の書記官として登場します。聖書の記事から見ると、古くからの信仰に戻し、偶像を神殿から撤去することに熱心に見えます。

タンムズ:エゼキエル『8:14 彼はわたしを、主の神殿の北に面した門の入り口に連れて行った。そこには、女たちがタンムズ神のために泣きながら座っているではないか。』

(メソポタミアの豊饒男神ドゥムジのヘブライ語形。)

神殿の外庭から内庭に入る門は、向かって右手が北、中央が東、左手が南です。

1.北に面する内側の門の入り口

門の北側(外庭側)に祭壇があり、入り口にはまさにその激怒を招く像(アシュタロテ)

2.中庭の入り口(にある隠し部屋)

 『8:10 入って見ていると、周りの壁一面に、あらゆる地を這うものと獣の憎むべき像、およびイスラエルの家のあらゆる偶像が彫り込まれているではないか。8:11 その前に、イスラエルの長老七十人が、シャファンの子ヤアザンヤを中心にして立っていた。彼らは、それぞれ香炉を手にしており、かぐわしい煙が立ち昇っていた。8:12 彼はわたしに言った。「人の子よ、イスラエルの家の長老たちが、闇の中でおのおの、自分の偶像の部屋で行っていることを見たか。彼らは、主は我々を御覧にならない。主はこの地を捨てられたと言っている。」』

長老70人とは12部族×6=72人なのですが、70人と呼ぶ習慣です。要するに主だったもの全て、そして書記官シャファンの子が中心になって、自分の信仰する偶像で礼拝を守っていたのです。

3.主の神殿の北に面した門(内庭側)の入り口

女たちがタンムズ神のために泣きながら座っているではないか。

4.主の神殿の中庭

主の聖所の入り口で、廊と祭壇の間に、二十五人ほどの人がいて、主の聖所を背にし、顔を東に向けていた。彼らは東に向かって太陽を拝んでいるではないか。

このように、神殿全体が偶像礼拝に用いられていたほか、「聖なる高台」もたくさんありました。完全に神様は忘れられていたのです。エゼキエルは、その警告のために召されたのです。

(参考)王下『23:4 王は大祭司ヒルキヤと次席祭司たち、入り口を守る者たちに命じて、主の神殿からバアルやアシェラや天の万象のために造られた祭具類をすべて運び出させた。彼はそれをエルサレムの外、キドロンの野で焼き払わせ、その灰をベテルに持って行かせた。23:5 王はユダの諸王が立てて、ユダの町々やエルサレム周辺の聖なる高台で香をたかせてきた神官たち、またバアルや太陽、月、星座、天の万象に香をたく者たちを廃止した。23:6 彼はアシェラ像を主の神殿からエルサレムの外のキドロンの谷に運び出し、キドロンの谷で焼き、砕いて灰にし、その灰を民の共同墓地に振りまいた。23:7 彼は主の神殿の中にあった神殿男娼の家を取り壊した。そこは女たちがアシェラ像のために布を織っていたところでもあった。23:8 王はユダの町々から祭司をすべて呼び寄せ、ゲバからベエル・シェバに至るまでの祭司たちが香をたいていた聖なる高台を汚し、城門にあった聖なる高台をも取り壊した。これは町の長ヨシュアの門の入り口にあり、町の門を入る人の左側にあった。』