Ⅰテサロニケ3:1-13

主にしっかり結ばれて

使徒言行録を見ると、その当時の出来事がわかります。

使徒『17:1 パウロとシラスは、アンフィポリスとアポロニアを経てテサロニケに着いた。ここにはユダヤ人の会堂があった。』
その後、パウロたちによる異邦人への伝道が進んだのは善いのですが、ユダヤ人がそれをひがんで騒動を起こしました。結果として、テサロニケを脱出することになります。

使徒『17:10 兄弟たちは、直ちに夜のうちにパウロとシラスをベレアへ送り出した。二人はそこへ到着すると、ユダヤ人の会堂に入った。』
べレアに逃れたのですが、ベレアでの伝道が知れると、テサロニケのユダヤ人がベレアにやってきてで暴動をおこします。

使徒『17:14 それで、兄弟たちは直ちにパウロを送り出して、海岸の地方へ行かせたが、シラスとテモテはベレアに残った。17:15 パウロに付き添った人々は、彼をアテネまで連れて行った。そしてできるだけ早く来るようにという、シラスとテモテに対するパウロの指示を受けて帰って行った。』

テサロニケⅠ3:1-2を見ると、アテネでパウロはシラスとテモテに再会し、テモテを再度テサロニケに派遣していまする。一方で、使徒言行録18:5で見ると、シラスとテモテが戻ってくるのは、コリントです。

パウロの手紙では、テモテしか書かれていませんが、シラスもテモテと同行したのだと思われます。アテネでベレアに残ったテモテとシラスを迎え、そして、再度テサロニケに派遣。その後、コリントで合流したように読めます
このように、パウロへ危険が及ばないように、しっかり守りながら、連絡を密にとっていた様子がうかがい知れます。

主にしっかり結ばれて

◎パウロの課題:ユダヤ人にメシアはイエスであると力強く証しをしましたが、ユダヤ人はそれに反抗して口汚くののしったのです。

使徒言行録『18:5 シラスとテモテがマケドニア州からやって来ると、パウロは御言葉を語ることに専念し、ユダヤ人に対してメシアはイエスであると力強く証しした。18:6 しかし、彼らが反抗し、口汚くののしったので、パウロは服の塵を振り払って言った。「あなたたちの血は、あなたたちの頭に降りかかれ。わたしには責任がない。今後、わたしは異邦人の方へ行く。」』

・コリントでの伝道で「ユダヤ人には服の塵を払い」 「私は異邦人の方に行く」(1年6か月コリント滞在で、パウロは異邦人伝道に向かう事に決断しました。これは、主によって与えられた新たな課題であり、主によって導かれる必要がある、大きな転換点でした

・テサロニケには、もう一度行って、励ましたい。(それが出来ない事情があります。暴動に巻き込まれることをパウロの仲間が許さないのです。

・異邦人伝道への エルサレム教会(特に主の兄弟ヤコブ)の理解。(パウロの異邦人伝道のありかたに反対する人が多かったのです)

◎テサロニケの信徒の課題

・ユダヤ人の暴動と、信徒への迫害(主にしっかり結ばれ、それがために迫害にも耐え、生かされている)。

 同じイエス様を信じる各教会のテサロニケの教会に対する祈りと支援が必要でした。

パウロは、コリントで異邦人伝道に進むことを決断しました。これは、コリントでユダヤ人たちが反抗したからだけではありません。テサロニケを抜け出したパウロですが、テサロニケでは大成功を収めたと考えているのです。確かに暴動を避けて、脱出してきたのですが、主にしっかり結ばれて異邦人伝道ができたからでした。そして、それが原因でユダヤ人による迫害を受けても、主にしっかり結ばれたテサロニケの異邦人信徒は、ひるむことなく、信仰の道を貫いています。パウロは、その姿に励まされると共に、異邦人伝道が主から与えられた役割だと受け止めるようになったのです。そうした決意によって、パウロはしっかりと主によって結ばれたのです。