エズラ記3:1-13

神殿建築の喜び


☆献げ物(ささげもの): 神を礼拝するときにささげる動物の犠牲や穀物などの供え物を指す。詳しい規定はレビ記1~7章に記されている。動物の犠牲の中でまず牛,羊,山羊などを全部焼いてささげる「焼き尽くす献げ物」がある。次に,献げ物の肉の一部を奉献者やその家族が会食する「和解の献げ物」や,罪科によって破られた神との契約の関係を正す「賠償の献げ物」などがある。穀物の献げ物には,初穂,パン,麦粉の菓子,ぶどう酒,油,香などが当てられていた。イスラエルの民は,これらの「献げ物」を供えることによって神を礼拝するとともに,神の聖性に対する鋭い感覚を養い,罪の清めを祈求し,神と交わることの喜びを学んだ。しかしながら外面的儀式を重視するあまり,内的心構え(回心,礼拝の心など)を軽視する危険にもさらされていたので,預言者たちがそのことを厳しく指摘した(イザ 1:11-17,詩 50:7-23など)。 なお,新共同訳におけるこの種の訳語に対応する従来の聖書の訳語を,それぞれ括弧内に示せば,次のとおりである。  焼き尽くす献げ物(燔祭,はんさい)  和解の献げ物(酬恩祭,しゅうおんさい)  贖罪の献げ物(罪祭,ざいさい)  賠償の献げ物(愆祭,けんさい)  穀物の献げ物(素祭,そさい)  ぶどう酒の献げ物(灌祭,かんさい)  随意の献げ物(自発の献げ物)

☆仮庵祭(かりいおさい): ユダヤ教の三大祭りの一つ。ティシュリの月(第七の月)の15日から7日間(太陽暦の10月初旬ごろ)行われる。後代には8日間に延長された。イスラエルの民が荒れ野で天幕に住んだことを記念し,仮庵を作って祭りの間そこに仮住まいをしたことに由来する名称。秋の果実の収穫祭でもあった(レビ 23:34以下,ヨハ 7:2)。イエスの時代には,仮庵祭の期間中,毎日シロアムの池の水を黄金の器にくんで神殿に運び,朝夕の供え物とともに祭壇に注ぐ行事が行われた。ヨハネによる福音書7:37,38はこの「水」に関係がある。


☆こよみ:新年は第七の月(初秋)からはじまりニサンの月(第一の月 初春)に過ぎ越しの祭りがあります。礼拝を新年から開始し、過ぎ越しの祭りが終わった翌月から、工事にかかったことになります。


1.礼拝の開始

 キュロスの命令で、エルサレムの神殿は再建されることになりました。まず、人々が集まらなければなりません。人足の手配、材料の手配のためには、縄張りをし、図面を作り、スケジュールを決め、分担をしなければなりません。また、工事をするためには、そこで働く人の食事と寝床も用意しなければなりません。そのすべてを動かす前に、祭壇を築きました。エルサレムは、バビロン捕囚によって住民がいなくなっていましたから、そこの代わって住んでいる住人がいました。将来、エルサレムの町が復興されていくならば、いさかいは避けられません。そういう環境の中、昔の神殿(ソロモンの神殿)の土台の上に祭壇を作りました。ここで、焼き尽くす献げ物をもって、礼拝を守るためです。仮庵祭もすたれていたのでしょうか?ここで復活させ、第七の月の新月の日(年初)から、すべての礼拝や、祭りが再開されました。その後、工事にとりかかります。石工や大工を手配し、レバノン杉の輸送をシドン人、ティルス人に手配します。(シドン、ティルスはフェニキアの港町)



2.神殿の基礎

 実際に工事にかかるまでには、時間がかかります。ゼルバベルとイエシュア(=ヨシュア=イエス)は、準備を整えた後に工事に取り掛かります。神殿の基礎は、石組なのでしょうか?それとも柱の立つ部分だけ点々と基礎石を並べているのでしょうか? ダビデは、神の箱をエルサレムに運び込んだ時、一歩一歩賛美をしては、献げ物をしながら進みました。それと同じように、石一個を据えるたびに賛美をしたと思われます。ですから、時間はものすごくかかります。しかし、人々は、この時を待ちわびていました。ですから、この記念すべき時を共有し、ある人は泣いて、ある人は喜びの叫びをあげたのでした。