ヤコブ5:7-20

裁きを受けないように

  農夫は、この国ではどんなものをどの時期に収穫していたのでしょうか?エルサレムの雨量を見ると、11月から3月にかけてが、雨の多い季節の様です。そして、イスラエルの伝統的食材は、7つあります。(「小麦(Wheat)」「オオムギ(Barley)」「ブドウ(Grape)」「イチジク(Fig)」「ザクロ(Pomegranates)」「オリーブ(Olive)」「ヤシの実(Date)」です。)

小麦と大麦は、穀物(草)ですから、乾燥した時期に種を植えることも無ければ、雨の多い時期に収穫することもありません。秋の雨が降ってから種を蒔き、そして春の雨がおわってから収穫します。このようにしなければ、良い麦を手に入れることはできません。イエス様が再臨されるときも同じように、その祈りの時まで待たなければなりません。それまでの間は、忍耐しながら、主が来られる心の準備をしておかなければなりません。本当にイエス様が来られる時が迫ってきているからです。

 こうして最後に、イエス様が来られるまでの注意をヤコブは書き送ったのです。

 

1.裁きを受けないようにするためには

 『兄弟たち、裁きを受けないようにするためには、互いに不平を言わぬことです。裁く方が戸口に立っておられます。』


不明を言うとは、つぶやくことと考えてください。また裁く方とは、原語から言うと裁判官という事になりますが、黙示録には、このような記述がありますので、参考ください。

黙示録『3:20 見よ、わたしは戸口に立って、たたいている。だれかわたしの声を聞いて戸を開ける者があれば、わたしは中に入ってその者と共に食事をし、彼もまた、わたしと共に食事をするであろう。』

 黙示録と同じように、「再臨されるイエス様が、その戸口で戸を叩いておられる」。だから、つぶやいたことで裁かれることのないように、お互いにつぶやかないようにと読み取れます。

『わたしの兄弟たち、何よりもまず、誓いを立ててはなりません。天や地を指して、あるいは、そのほかどんな誓い方によってであろうと。裁きを受けないようにするために、あなたがたは「然り」は「然り」とし、「否」は「否」としなさい。』 原文から私訳しました。

「私の兄弟姉妹よ、天国や地に、または他の何にも、誓ってはいけません。あなたが言う必要があるのは、単純に「はい」または「いいえ」です。さもなければ、あなたは裁かれます。」

この私訳から、「裁きの時、宣誓をしてはならない」と読みとれます。そして尋問には「はい」と「いいえ」で答えなさい。そうするならば、裁かれないのです。誓う相手は、神様だけで良く、他に誓う事は神様への冒涜だからです。

2.いろいろな人へ

苦しんでいる人は、祈りなさい。喜んでいる人は、賛美の歌をうたいなさい。

病気の人は、祈ってもらいなさい。

罪を犯したのであれば、罪を告白し合い、互いのために祈りなさい。

(罪を犯すとはイエス様への信仰を失っている状態です。その魂が死んだ状態から連れ戻すならば、その多くの罪が連れ戻した人によって帳消しになるのです。)

 ヤコブの手紙は、この言葉で結ばれています。

 ヤコブは、ユダヤ人のクリスチャンに向けて、祈る事と賛美する事、そして信仰の道から迷い出た兄弟姉妹を連れ戻すことを勧めます。そして、この手紙はad45年ころに書かれたとされています。これはパウロがテサロニケの信徒への手紙1を書いた時期より早いのです。そういう意味では、新約聖書で最初にイエス様の再臨の記事が載ったのがヤコブの手紙という事になります。つまり、「世の終わりを迎えるならば、面白おかしく暮らしてもその後の心配はない」との考えに対し、クリスチャン生活の在り方を述べたのだと思われます。また、いつその時が来るかわからないということで、しっかりその時のために裁かれないように準備をするように勧めたのでした。