夏休みの宿題で、皆さんが
最後の最後までやらないのが、
読書感想文だと思います。
読書感想文を書けない方の多くが、
本を読むのが面倒、何を書いたら
いいかわからないというのが
ほとんどだと思います。
書ける人からすると、
自分の思ったこと(感想)を
そのまま書き出せばいい、
これ以上簡単な宿題などないと
言うでしょう。
しかし、書けない方のほとんどの方が、
自分の思ったこと(感想)=楽しかった、
おもしろかったの一言、もしくはつまらなかった、
何がおもしろいのかわからなかったの
一言だけだと思います。
読書感想文の本来の目的は、自分の知れない、
経験したことがないことを、本を通して知り、
物語の中の情景、登場人物の心情を読み、理解し、
自分の感想・意見・主義などを、自分自身で
考え思うことだと思います。
しかしながら、本を読むのがおっくうな人、
感想文が書けない人にとっては、
そんなことはどうでもよく、
問題になっているのが、
文字数の多さになっていることでしょう。
400字詰め原稿用紙を2~3枚書くというのは、
経験豊富な大人からすると、簡単なことですが、
書けない子供にとっては
これほどつらい量はないと思います。
作品を読んでの感想は、おそらく
おもしろいか、つまらない、
これしか浮かばない。
他に何を書けというんだと思って、
筆が進まない。
本来の目的である、自分の知れない、
経験したことがないことを、
本を通して知り、物語の中の情景、
登場人物の心情を読み、理解し、
自分の感想、意見・主義などを、
自分自身で考え思うことを意識して、
本を読んでも、書けない人は
まずこれを意識できないのだと思います。
仮に意識しても、だから何?
所詮本の中の話じゃないか程度に考えて、
ただただ、文字を目で追って、終了。
これで400字詰め原稿用紙2~3枚の
読書感想文を書けというのは、
不可能だと思います。
しかしこればかりは本人が意識して
本を読まない限り、他の誰が何を
言ったところで、変わりません。
そこで、そういう方に向けて、
書きやすいように、
書き方を提案してみたいと思います。
まず、感想を書く内容を箇条書きで
3~4個決めてください。
これは自分の気に入った場面、
自分が同じような経験をした場面、
登場人物の心情で理解・同調できる場面など、
とにかく、ここについて書こうと思える
箇所を決めて下さい。
それでもどうしても、決められないという方は、
次の3つで考えてみましょう。
本・物語のタイトルについて、
主人公の心情の変化について、
物語の中で不思議・疑問に
思ったことについて、
この三つのことを拡げて、
書いていくようにしましょう。
感想を書く内容が箇条書きで
決めることができたら、
次はその箇条書きの内容に、
なぜ?を突きつけていってください。
例えば、なぜ、この物語の
タイトルは●●なんだ?
なぜ、この主人公はこうなった、
あるいはこう思ったのか?
なぜ、この場面では
こういうことが起きたのか?
などでいいです。
この時、本を見返す必要はありません。
自分の頭の中で、ひたすら
なぜ?を問いかけ、
その問いに思ったこと、
それが本に書いてあるかないか、
正解か不正解か、関係なく、
思ったことを書き出して下さい。
これで感想文を書く下準備が整います。
ここまでの作業はノートの片隅や
いらない紙の裏紙にでも書いて下さい。
間違っても原稿用紙に
これは書かないで下さい。
この読書感想文の元を作っておけば、
あとは実際に手を動かして、
書く時間(約2、3時間)で済みます。
これでなんとかなるのか?
と思うかもしれませんが、
私はこれが全てだと思います。
言い方が悪いですが、思ったこと、
言いたいこと、書きたいことの
核心が決まれば、後は、
“文字数稼ぎ”だと言えます。
「僕(私)は~と思いました(思います)」
「なぜそう思ったかと言うと・・・
(自分の経験談や考えを書く)・・・だからです」
そして、そこから作品と自分の経験談や考えとの
相違点を書くと大体文字数400字は埋まります。
これを箇条書きした三つでそれぞれ書けば、
確実に文字数を稼ぐことができます。
三つにしたのは、400字詰め原稿用紙
3枚(約1200文字)を書くことを
想定してのことですので、一つのことで
1000字以上書けるのであれば、
別に三つも必要ありませんが、
多めに用意しておけば、書くことがない、
文字数が足りないという状況に
陥ることが少なくなります。
もし読書感想文の宿題がくすぶっている方は、
これらを踏まえて試してみて下さい
少なくとも、感想を書く内容を箇条書きで
3~4個決めるのは、本を読み終えていなくとも、
途中の段階でできますので、やってみて下さい。
書き方がわかれば、読書感想文は
それほど苦ではないと思います。
ぜひ試してみて下さい。