学年の授業終了=学年の勉強終了?


各学年、3月中旬までには、

“今学年”の授業が終了すると思います。



長かった一年、つらかった一年、

苦しかった一年、そんな感慨深く、

最後の授業を受けられる方は

稀だと思います。



大抵の方が、ラッキー、もうこれで

今学年の勉強とはおさらばだ、

さぁ次だる次、次の学年になれば、

習う範囲も、習うことも、教わる先生も、

全く新しいことだし、自分の気持ち的にも、

ゼロにリセットできて、新規一転できる。



中学1年生、2年生で、

面倒な単元・教科・先生に当たって、

もう嫌で嫌でこの一年が早く終わって欲しかった。



そんなことを考えている方が

多いのがよくわかります。



私の塾でも、小学校、中学1年、

または2年の時は、教科の先生が、

教科の単元・範囲が、難しかった、

わかりにくかったから、

成績を落としてしまった、

でも先生が変われば、単元が変われば、

元々嫌いな教科ではないから、

すぐに成績を戻せると豪語する方が多いです。



そうして、今学年の授業が終了

=今学年で習ったことは

知識として無くてもOK

=今学年の勉強は終了、

一生やらないと短絡的に考えます。



授業中、「この問題は、この範囲は、

この知識は、受験の時に出るぞ」と

しょっちゅう言われている受験生からしてみたら、

上記のような考え方をする人間はいないと

思うかもしれませんが、中高一貫校生の中には、

本気でそう思っている方が多いです。



というよりも、授業中「受験に出るぞ」

なんて言われることがないのですから、

そう思うのが当たり前になっているでしょう。



受験がない=今習っていること、知識は、

次の定期テストで出るだけで、

その後、一生見ることはない。



ほとんどの中高一貫校生はこう考えます、

そしてそれが垣間見えるのがテスト前です。



中高一貫校生だけと言っても

過言ではありませんが、

「こんな問題、(次の定期)テストに

絶対出ないから、覚える意味がない」

という言葉を平気で言います。



そして、その確固たる意思のもと、

本当にその問題を、範囲を、知識を

覚えようとしません。



その時は、その定期テストでは、

それでうまくいくことがありますが、

これを続けていって、学年が上がるに連れて、

つらい思いをする方を何人も見てきました。



受験生からして見れば、当然かもしれませんが、

今年習ったことは、次学年で、当たり前の知識として

出てきて、最終的には受験で出てくる、

中学、高校に入って授業で出てくる。



これが学校の勉強となっています。



毎学年ごと、常に全く新しいことを

教わることはありません。



元々習った知識を応用した考え方、解き方を

少しずつ、“改良”していく、“肉付け”して

いくものです。



ここまで話せばわかると思いますが、

つまりは勉強において、今学年の授業終了

=今学年の勉強終了=今学年の知識はもういらない、

使わないなんてことはありえません。



中高一貫校生が陥りやすい

危険な考え方の一つですので、

ぜひ、気をつけて下さい。



追伸で、ここまで書けば、

春休みの宿題を“やらないでOK”なんて

考えはなくなると思います。



むしろ春休みの宿題で

“次学年に向けて今学年の

勉強の総復習をしておこう”と

思えるはずです。



春休みの宿題をサボることのないよう、

苦言しておきます。