与えられる量より受取る量の格差


昨今の教育は、様々なことを

『与えられる』ことが前提で、

その量、質ともに、充実しすぎている

というより、過多になってきている

ように思えます。



それらを十二分に受け取ることが出来て、

身につける、自分の能力を伸ばすことが、

『出来る』方、『やれる』方にとっては、

素晴らしい環境だと思います。



ところが、普段の授業でもそうですが、

それらを『受取れない』『受けきれない』方に

とっては、多すぎる『ソレら』がどんどん、

重しになって、足枷になって、授業に、勉強に

ついていけない、置いていかれる状況・状態に

なりつつあると思われます。



特に、ソレを徹底できる

私立校・中高一貫校では、

もはや格差を止めるどころか、

拡げる一方で、『出来る』方、

『やれる』方寄りに合わせた授業、

勉強の体制を整えて、ついてこれない、

置いていかれる方を、『排除する』ぐらいの

勢いで、突き進んでいるように思われます。



実際に、成績上位の方は、

世界のコンテストや大会など

においての活躍までしたり、

より上位の学校への進学、

合格を果たしたりと、

素晴らしい結果を出しているために、

その『成功例』をもとに、

次々と改革が推し進められると、

今後、出遅れた方は、ついていけない方は、

『潰されて』いくことになるでしょう。



昨今、目に余る光景として、

中学・高校一年次、それも

一学期の時点で、テストで

数点~十数点、複数教科において、

成績『1』、不合格という『ハンデ』を

背負わされて、選択を、自己責任を

迫られる生徒、親御さんが増えてきました。



これは、学校・先生からの

無言の圧力となりますが、

学校のレベルに、授業に、

学力、偏差値に見合わない、

見合っていないと、

記録される『結果』として、

強く訴えかけるものとなっています。



そして、その結果を軽んじて考えて、

この二学期へと突き進んでしまって、

『結果』が記録されていく以上に、

学力が、勉強が、学校の授業に

ついていけなくなっていると、

もう今までの、普通の生活を続けていては、

取り戻せない状況・状態になって、

後は進級・進学出来ないことが

決まるまで、ただただその学校で

過ごすだけとなってしまいます。



“たかだか”学校の勉強、テスト“ごとき”のことと、

思われるかもしれませんが、学問としての

勉強は、積み重ねていく、積上げていく

ものとなり、最初の基礎が抜け落ちたままで、

どんどん進んでいく授業、勉強に

ついていくのは困難となります。



特に、私立校・中高一貫校の多くの学校は、

高校2年次までに、高校卒業に必要な

カリキュラムをほとんど終わらせ、

3年次には受験対策を行えるように

授業日程、カリキュラムを

予定・設定しています。



大学付属の学校で内部進学する学校でも、

3年次には、選択科目などが増えて、

大学進学の準備をすることが

多いと思います。



そうなると、その進度、スピードに

ついていけなくなり、抜け落とした

基礎学力の量が増えていけばいくほど、

さらについていけないという悪循環が生まれ、

結果、2年次二学期には、もう手遅れ、

間に合わないとなってしまう方が

多くなります。



今までは、そうはいっても、

騙し騙しでも、平常点や補習、

補講、追加課題などで、『成績』は、

条件を満たして、なんとか、

高校・大学へと進級・進学していき、

実際の学力を誤魔化しながらでも、

高校・大学まで進学出来ている方が

多かったです。



しかし、昨今、そうして進学していった方が、

結局、高校・大学での授業に、勉強についていけずに

はじかれていく(進級・進学できなくなっていく)ことが

増えたこともあり、学校・先生側も危機感をもって、

早い段階で、『気付いて』もらおうとしているように

思います。



数年前からそうなっているとは

思いますが、複数教科において、

テストで数点~十数点を取る、

成績『1』や不合格を取る方は、

早急な切り替えを行う必要があります。



部活動の休部や、さらには、

転校・留学といったことまで

検討しなければ、通っている学校で、

飼い殺されていく、つまり、本来、

その学校で得られる質の高い教育、

知識、教養といったものはおろか、

一般、普通の学校で習う基礎学力、

知識すらも、身につけられずに、

学校を卒業する、内部進学出来ずに

受験をすることになる時期まで、

勉強から、離れる、ついていけない

状態となってしまいます。



もうこうなってしまうと、

誰も『救いようがない』という

状況となります。



正確には、『残された時間』で、

現役で高校・大学へと、

それも、通っている学校は

もちろんのこと、それと同様、

いえ、それ以下の学校においても、

受験テストで合格するまでの学力を、

知識を取り戻すには、時間も、

基礎学力、知識も足りないとなります。



何よりも、勉強、学習習慣が、

もうそれについていけないことでしょう。



なぜなら、2年半において、

各学年各学期で、徐々に、

『与えられる量』すらも、『受取れない』

『受けきれない』、何よりも

『受け止めようとしない』

『受け入れようともしない』を

続けた結果、“そう”なったことでしょう。



与えられる知識、勉強を、授業で

教わることを、受け止めようとした、

受け入れようとはしたと思う方は、

少なくないと思いますが、『何度』、

その結果どうなったかを省みずに、

しようとした、努力はした“だけ”では、

“そう”見られることはありません。



複数教科において、テストで

数点~十数点を取る、成績『1』や

不合格を取っているにも関わらず、

部活動や趣味など、自分にとって、

『都合の良い』ことは決して辞めることなく、

そして、スマホやゲームなどは、

リフレッシュ・リラックスのために、

決して手放すことはないというのでは、

本気で、本当に『危機感を持っていた』、

『勉強しなければと考えていた、思っていた』と、

言えないと思いますがいかがでしょうか。



就職氷河期時代を過ごした

親御さん、ご家庭の方は、

同年代のそうした方、そういう方を、

さらには、本当に本気で危機感をもって、

考えて思って頑張って、それでもなお、

報われないとなった方を『見てきた』と

思います。



今、同じことが教育の現場においても、

特に私立校・中高一貫校の

進級・内部進学において、

似たようなことが起きています。



就職氷河期時代の就職活動時、

希望を叶えた人がやっていたことは、

サークル活動の片手間で会社説明会に行き、

うたたねしながら、その説明を聞いて、

面談においては、御社に入社して、

何をやりたいかはわからないですけど、

ただ入りたいです、入れて下さい、

頑張りますと言うだけで

内定を取っていましたでしょうか。



これを、今の学校、

特に進級・進学要綱がある、

私立校・中高一貫校に当てはめると、

部活動の片手間で、たまに授業を起きて、

聞いて、宿題はやったりやらなかったりで、

部活動の無い日は、休み時間は、休みの日は、

スマホで遊んで、気付いたら終わっていて、

各学年各学期の呼び出し・面談では、

進級・進学はしたいです、頑張ります

と言うだけで、進級・進学できる

ということになります。



先日、進級・進学氷河期と書いたのは、

かつての社会情勢と今の教育改革のドタバタ、

不安が似ていることもさることながら、

それに対しての対応・対策が、

やっていることが、向き合い方が、

似ているように思えるからです。



歴史は繰り返されるものかもしれませんが、

就職と進級・進学とでは、その後に辿る道筋が

大きく異なることになりますので、よく考えて、

氷河期に対する対応・対策をしておくことを

オススメします。