『物理的に』無理になってきているテスト直前の詰め込み


昨今、詰め込み型教育が否定され、

生徒の自由、自主性を促し、

考える力を伸ばす教育を

推すようになりましたが、

教育課程、カリキュラム、

覚える内容、質・量は、

多少の変更はあるものの、

変わっていない、むしろ、

多種多様になった上に、

増えてきている

ように思えます。



そうなれば、サボった物理量は、

今まで以上になり、

さらに残り時間が減れば、

その負担は、もう精神論、

根性論で何とかなる

ものではないでしょう。



しかし、それでも点数を、成績を

取りたい、取らなければならない

となると、今後、至る結論は、

『今回』は諦めて、『次回』から

頑張りましょうということに

なると思います。



もう、テスト直前での詰め込みも、

『物理的に』対応できなくなって

きているために、この結論に

至るわけですが、そのことに気付かずに、

今回も、次回もと続けていく方の中から、

もう救いようのないほどの方、つまり、

落ちこぼれていく方が増えていく

ことになります。



塾でも、最近の傾向は、

部活動、習い事や趣味や遊びに忙しく、

効率良くを求められ、テスト前に

駆け込まれる方が多いですが、

もう『物理量』が、残り時間で

効率良く出来る量では

なくなってきています。



宿題などが顕著ですが、

仮に宿題が無かったとしても、

基礎学力がそうなってきている

ように思えます。



講師の小言に多くなってきた単語に、

『このことを学校で習わなかった?』

『学校の先生は説明していなかった?』

『授業でやってないの?』など、

基本的に、生徒が

『授業を聞いている』ことを

前提にして、聞いているので、

子供達は自信をもって、

『学校の授業で』『先生が』

『教えていない』

『そんなことを聞いていない』

『教えてもらっていない』と

答えられることが多いです。



私立校・中高一貫校の場合、

独自の教育指導、進め方など

ありますので、本当に学校で

やっていないこともあるので、

一概に生徒が嘘を言っているとは

言えませんが、それでも、

あまりにも基礎となる考え、知識を、

学校でやっていない

(生徒が聞いていない)となると、

テスト直前でも、もう一度、

その基礎概念を、基礎知識を、

かいつまんででも教えて、

少なくとも数問、演習をさせて、

その上で、テストに出るであろう、

応用問題、難解な問題を教える

ということをやらなければなりません。



これを一、二時間内で、

圧縮させて一気に教えて、

要領の良い方はコツをつかんで、

あとは家で自分でやって、

平均点を取ることが出来ますが、

塾に来るほとんどの方が、

要領が悪い、家で勉強しない、

宿題すらもやらないので、

結局、結果は散々になることに

なります。



そうなっても、そうなるとわかっていても、

また『次回』も、効率を求められます。



テスト前の対応・対策に関しまして、

効率を求められる方、親御さん、

ご家庭の方には、説明しておりますが、

普段定期的に来ることが難しく、

テスト前だけに授業を受けられる

のであれば、せめて、

全教科においての

宿題が終わっている、

プリントが揃っている、

ノートがまとめられている、

その上で、自分がわからない箇所が

チェックできている、わかっている

となれば、テスト前の数時間の授業で、

平均点、さらには、家でテスト勉強すれば、

それ以上の点数を取ることが

『効率良く』出来ます。



そうでなければ、

“たかだか”学校の勉強、

テスト“ごとき”においても、

効率良く出来ることなどなく、

テスト前は宿題作業のお手伝い程度で、

かいつまんで、テストの数問が解ける、

数点が確保できる程度になってしまいます。



他の塾ではどうかはわかりませんが、

当塾においては、この傾向になっている方が

増えており、最終的な進級・進学率は

落ちているのが現状です。



ゆとり教育時代から完全脱却した昨今、

もともと影響をあまり受けていなかった

私立校・中高一貫校は、より高度な教育、

学習を目指して、厳しく、難しく、

早くなったにも関わらず、

まだゆとり教育の影響で、

自分勝手に日々を過ごしている方が、

学校・先生に、勉強に、ついていけなく

なってきているように思えます。



ついていけないというよりも、

もはや、スタートの時点から、

着実に格差をつけられて、

基礎学力が取り戻せない道へと

進まされているように見えます。



数年前、そういった状況・状態に

なりつつあることを、皮肉交じりに

『学校に飼い殺しされている』と

比喩しましたが、今、このことが

問題になってきている方が

潜在的には半数近くに

なってきていると思われます。



数年後、その方々が、大量に

進級・進学出来ない、

仮に高校・大学に進学しても、

留年、中退、転校と

なってしまうことを

懸念しております。



大学での留年者は、

確実に増えていると思われますが、

内部進学の質を問われるように

なってくると、今後は、

推薦枠を減らされていく

可能性があります。



あるいは、推薦枠はそのままでも、

その条件、要綱が厳しく、結果、

内部進学数が減っていくかと思われます。



“まだ”数年はその問題が

出てこないかもしれませんが、

今年度、来年度以降に

中学入学した、する方は、

その影響を受ける

世代となります。



部活動の文武両道もそうですが、

普段の生活、勉強習慣、スマホとの

付き合い方など、よく見直しておくことを

オススメします。